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鈴木誠のハイブリッド展望

【椿賞争奪戦予想】競輪祭でラインの重要性を再確認した松井が突っ張り先行! 番手から抜け出した佐々木が記念競輪初優勝を決める!

2023/12/05 (火) 15:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は伊東競輪場で開催されている椿賞争奪戦の決勝レース展望です。

3連勝で決勝に進んできた吉澤と伊藤は、前を行く松井を捕らえられるか?

 SS班の新山選手と平原選手が欠場。初日の特選を走っていた犬伏選手も、2日目に体調不良で当日欠場となった【椿賞争奪戦】ですが、連日に渡って、地元選手を含めた南関東の選手たちが奮闘を見せています。

 その中でもシリーズリーダーといった走りを見せているのが、先日行われた【競輪祭】でも2着となった松井選手です。

 その【競輪祭】では果敢に先行していった深谷選手の番手という、絶好の位置取りながらも、ゴール寸前で眞杉選手に交わされて2着に敗れています。レース後は涙を流していた松井選手ですが、悔しさだけでなく、あのレースを通してラインの重要性を改めて感じたはずです。

 決勝にはその松井選手を含めて、南関東の4選手が駒を進めてきました。その並びは松井選手-佐々木選手-和田選手-五十嵐選手と、神奈川の3人の間に千葉の和田選手が入っています。

 3連勝で決勝に進んできた吉澤選手の後ろは関東ラインの武藤選手。同じく3連勝の伊藤選手には九州ラインの林選手。ここは二次予選、準決勝と同じ並びになりました。目標の無かった福島の渡部選手は単騎となっています。

 1番車となったのは松井選手であり、しかも4車でレースができるとなれば、ここは南関東ラインが前受けをしてからの、松井選手の突っ張り先行が濃厚と言えます。そうなれば5番手には単騎の渡部選手。その後ろは九州ライン、関東ラインとなるはずです。

 8番手となった吉澤選手は松井選手を抑えにかかります。ただ、松井選手はナショナルチームでも慣らしたダッシュ力があるのに対して、吉澤選手は持久型の自力選手だけに、松井選手が一気に踏み出してしまうと、吉澤選手は再び元の位置に戻るしかありません。

 次は伊藤選手の捲りとなりますが、松井選手は【競輪祭】での準決勝でも、2周ほどの距離を逃げ切っていたように、長い距離を踏んでも残せる脚があります。

 しかも、伊藤選手は二次予選、準決勝と差しに切り替えて10秒台の上がりながら、松井選手は二次予選では捲りで9秒4、準決勝では差しで9秒6の上がりを記録。【競輪祭】の疲れも残っているとは思いますが、いいコンディションを保っているのは、このタイムにも証明されています。

 松井選手が突っ張り切れた場合に、優勝に近づくのは番手を走る佐々木選手です。今大会は初日にあげた1勝だけながらも、大石選手の捲りをゴール前でしっかりと捕らえていたように、松井選手の番手を付いていけたのならば、優勝の可能性はかなり高いと見ています。

 もし、松井選手と吉澤選手がやりあうような展開となれば、佐々木選手の2着には和田選手が入ってきそうです。また、吉澤選手が松井選手を叩き切った場合には、捲ってくる伊藤選手には絶好の展開となるだけでなく、九州ラインの後ろを回ってくるであろう、単騎の渡部選手との組み合わせが穴となってきます。

 ただ、松井選手の心境からすると、「決勝はラインから優勝者を出す!」との思いで先行してくるはずです。荒れる展開も押さえておくべきでしょうが、基本的には番手の佐々木選手を3連単の頭にした、南関東ラインの上位独占を厚めに買うレースと言えるでしょう。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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