2023/11/21 (火) 08:00 2
競輪祭でGIはファイナルを迎える。振り返れば今年も数々の激戦が繰り広げられた。ダービーを山口拳矢が、オールスターを眞杉匠が制して待望のニューヒーローが誕生した。世代交代の流れに現実感が高まったように思う。また、全日本選抜、高松宮記念杯、寛仁親王牌と3つものタイトルを奪取した古性優作はオールランダーの頂点を極め、安定感は昨年以上の存在にのし上がった。
長らくS班を維持してきた選手の入れ替えもありそうだし、グランプリ出場を懸けた賞金争いは過熱しているし、ランク外の選手は一発勝負駆けを目論む。最後の大一番はある意味グランプリ以上に熾烈な様相を呈するはず! 最大の注目は復帰2戦目となる脇本雄太だ。四日市記念からどれだけ上積みができたのか? 心配な人は初戦を見てから判断しても良いかもね
この競輪祭、前半3日間は新設されたガールズケイリンのGIシリーズ「競輪祭女子王座戦」が行われる。このシリーズでタイトル奪取となれば年末のガールズグランプリの出場権が得られる。オールガールズクラシック初代女王の佐藤水菜、パールカップ優勝の児玉碧衣の対戦になるだろうが。
オールガールズクラシックで児玉の逃げを次元の違うまくりで圧勝した佐藤水菜が優勝の最有力候補に見るのが自然。この大会で「国内に敵なし!」と“佐藤一強”を証明する機会になるのではと期待が膨らむ。されど、久米詩の勝負強さ、レース巧者・石井寛子、ナショナルチームの太田りゆ、梅川風子が佐藤に対してどこまで迫れるのかにも注目だよ。前半の熱戦が楽しみだね。ナイターの6日間、長丁場の開催になるが、どの角度からも見応えのある競輪祭になるはず。
さて、妄想先取りの推奨レースはどれにしよう? これを悩みに悩んだよ。結論だが、やっぱり8Rが面白いと思う。『大本命・脇本で仕方ないのか? はたまた波乱があるのか?』ってレースになる。
まずは並びの整理をしていく。①脇本雄太-⑦浅井康太、⑧岩谷拓磨-②柏野智典-④田尾駿介、③岩本俊介-⑨佐々木雄一、⑥金子幸央-⑤杉森輝大の四分戦だ(←①⑦・⑧②④・③⑨・⑥⑤)。
初手は脇本が前受けから。金子が押さえ岩本が切る展開になるだろうな。この間に脇本は一気に引いて体制を整える。勝負どころで一気に仕掛けマーク浅井の流れ込み①-⑦、岩谷の逃げを使う柏野への①-②。岩本の先まくりで①-③あたりまでが本線の狙い目になるか!
堅そうだが、妄想はある。レース展開は同様のままで、逃げるのも岩谷と仮定する。このとき、岩谷がスローペースで行けば、岩本と金子で脇本を封じ込める。もちろん岩本、金子で車間を空けるってことになる。これなら岩谷は最終4コーナーまで持っていけよう。そうなれば柏野と田尾の直線勝負になる。妄想車券②=④が面白いぞ! ここはこの二人を軸に狙って高配当ゲットを目論むのもアリアリ!
いや、最終局面では柏野がまくりを止めにいくケースもある。するってえと内を突けるのは田尾ってことになる! 田尾から手広くってのもありか! そんな結果になろうもんなら、初日からヨダレもんだべ!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。