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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

【金子貴志の交流】少しでも競輪が記憶に残るように… 学生と向き合って思い出した“初めての競輪観戦”

2023/11/27 (月) 12:00 14

(撮影:北山宏一)

 netkeirinをご覧の皆さんこんにちは、金子貴志です。すっかり寒くなってきましたので、体には十分気をつけてください。今回は10月9日に行われた「とよはしスポーツフェス2023 アスリート夢トーク」に出演した時のことと、豊橋市の浅井由崇市長を表敬訪問したことを書いていきたいと思います。

JR豊橋駅でのイベント

 まず「とよはしスポーツフェス」ですが、このイベントには私のほかにフィギュアスケートでバンクーバー、ソチの五輪に2大会連続で出場した鈴木明子さん、箱根駅伝にも出場した陸上の山本修平さん、卓球で東京パラリンピックに出場した八木克勝さんが出演しました。皆、豊橋にゆかりのあるアスリートです。

JR豊橋駅前で行われたイベントに参加(本人提供)

「アスリート夢トーク」と題された通り、出演者がそれぞれ50分間子どもたちと向き合い、質問に答えていくというイベントでした。場所はJR豊橋駅。多くの人が行き交い、飲食店も多く立ち並ぶ場所です。普段の競輪場でのトークショーとは雰囲気もお客さんの感じも全然違うので、少し緊張してしまいました。

少しでも競輪が記憶に残るように

 私に質問してくれたのは中学3年生の男の子と女の子。まず男の子から「好きな競輪場はどこですか?」と聞かれました。私が「食事がおいしいところ。函館とか九州地区が好きです」と答えたら、キョトンとしていました(笑)。好きな競輪場、というのは得意な競輪場といった意味あいだったようです。

中学生の質問にたっぷり50分答えた(本人提供)

 実は、今回は競輪場でのトークショーとは違い、お客さんは競輪を知らない人がほとんどということで、すこし“ゆるめ”の回答をさせてもらいたい、と事前に運営の方に相談していました。少しでも「競輪」が子どもたちやお客さんの印象に残ってほしいという思いからです。

 その男の子にも、私が世界で戦っていたときのエピソードをちょっと攻めた表現で伝えさせてもらいました。少し不安もありましたが、司会の方の気配りもあり、客席からは笑い声が上がっていたのでホッとしました(笑)。

 女の子からは「どうしたらガールズケイリンの選手になれますか?」と質問されました。彼女は陸上競技をやっていましたが、ケガをきっかけに自転車を始めたそうです。

可能性にあふれた学生たちの将来に期待(本人提供)

「絶対なりたいという強い気持ちを忘れなければ必ずなれます。しつこく最後まで諦めない気持ち。今の強い気持ちを忘れないで下さい」と答えました。学生さんがガールズケイリン選手を目指しているというのは私にとっても嬉しいことです。何度も「しつこくしつこく…」と言っていたら、司会の方に「“粘り強く”ですね(笑)」ツッコまれてしまいました(笑)。

 この他にも色々な質問をしてくれたので、私は少しでも記憶に残るように、あえていつもとは違う表現で、わかりやすく伝わればと心掛けました。

“挑戦すること”の大切さ

 学生の皆さんは可能性だらけです。自分に合うスポーツを見つけることも重要なことだと考えています。もちろんスポーツだけではなく、世界は広いですから、いろいろなことに挑戦してもらいたいと思います。10年後、今回のトークショーに来てくれた子どもたちがさまざまな分野で活躍して、その姿を見ることができたら嬉しいです。

(本人提供)

 私が運営しているYouTubeについても聞かれ、もともと競輪を広く知ってもらうために始めたということを話しました。今回のイベントも競輪を知ってもらう良い機会になると思うので、このようなチャンスを与えてくれた関係者の皆様にとても感謝しています。

 トークショーの後、フィギュアスケートの鈴木明子さんと写真を撮ってもらいました。有名な方ですので、鈴木さんのおかげでイベントに立ち寄ってくれたお客さんも多かったと思います。私もテレビでしか見たことがなかったのですが、本当に優しく気配りのできる方でした。鈴木さんは五輪に2度出場し、世界選手権ではメダルを獲っているトップスケーターです。一流のアスリートは、やはり競技以外のところでも一流でした。今回はスケジュール上ほかの競技の方とゆっくりお話しする時間が持てませんでしたが、いつかまた交流する機会があることを願っています。

元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんと(本人提供)

 この様子は豊橋市の広報にも載り、11万世帯以上の市民の方に届くそうです。現地に来られなかった方にもこのイベントの話題が届くのはありがたいことです。

豊橋市長への表敬訪問

 10月11日には7月に行われた「全日本マスターズ」のチームスプリントで優勝した白井一機さんと鈴木伸之君、アマチュアの森田英児君、そして「天狗党」の皆さんと一緒に、豊橋市役所へ浅井市長を表敬訪問しました。

豊橋市の浅井市長を表敬訪問(本人提供)

 市長も競輪をもっと広めていきたいと思ってくださっています。2年後に豊橋競輪場で開催されるビッグレース「全日本選抜競輪」の準備にも力を入れてくれています。市長の他にも、普段は話す機会があまりない体育協会の方々とも繋がることができ、今まで以上に協力しあって豊橋市と競輪を盛り上げていけたらと思っています。

 市役所には俳優の松平健さんをはじめ、有名な方々のコーナーが設けられています。今回「とよはしスポーツフェス」に来てくれていた子どもたちの中から将来、松平健さんたちと同じように紹介されるような選手が出てきたらいいな、と未来へ思いを馳せました。

思い出した“初めての競輪観戦”

(撮影:北山宏一)

 イベントで子どもたちと接したことで思い出したことがあります。私は小学生のときに初めて競輪場で生のレースを観ました。選手が4コーナーを回ってくるときの迫力、当時覚えた衝撃を今も生々しく覚えています。本当は敢闘門で選手に声をかけたかったのですが、レース直後の選手たちのオーラに圧倒され、とても声はかけられませんでした。

 いろんな記憶のあり方はあると思いますが、今回のような交流の機会を通じて何らかの形で子どもたちの記憶に“競輪”が残ると嬉しいです。

 これからも人との繋がりを大切にして、少しでも多くの方に“競輪”を知ってもらえるような活動をしていきたいと思っています。

(撮影:北山宏一)

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金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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