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鈴木誠のハイブリッド展望

【周防国府杯争奪戦予想】4車で連係した中四国ライン! 3段ロケットから飛び出した清水が、前人未到の地元記念大会6連覇を果たす!/鈴木誠の展望

2023/11/05 (日) 12:00 5

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は玉野競輪場で開催されている周防国府杯争奪戦の決勝レース展望です。

完調では無いものの、並外れたスキルを持っている古性の一発にも期待!

 個人的に今、最も行ってみたい競輪場が、【周防国府杯争奪戦】が開催されている玉野競輪場です。

 ご存じのように2021年から施設を閉場して、老朽化したメインスタンドを中心とした建て替え工事を実施。2022年にグランドオープンした際には、開催中は選手宿舎としても利用される「KEIRIN HOTEL 10」が、バンクに隣接する形でオープンしました。

 選手を引退した今、イベントや解説で全国各地の競輪場に行かせてもらっていますが、まだ玉野競輪場から声がかかったことはありません。ホテルからのロケーションも素晴らしいと聞いていますし、いっそのこと、プライベートで泊まりに行こうかと思っています(笑)。

 防府競輪場の改修による、代替開催となっている今大会ですが、その防府での地元記念で、5連覇を果たしているのが清水選手です。

 SS班が5名揃っただけでなく、犬伏選手、野口選手と強力な先行選手も揃った今大会ですが、その中でも清水選手は番組に恵まれた印象もあります。それでも特選から3連勝と、ファンからの期待に応えていました。

 しかも、決勝では中四国の4人で結束という強固なライン。連日バックを取っている犬伏選手を先頭に、取鳥選手-清水選手-松浦選手で連係します。

 近畿も4人が決勝に進んできましたが、こちらは大阪(古性選手-稲川選手)、京都(高久保選手-村上選手)で別線を選択しました。西日本ラインとして、中四国の選手たちとの連係も図ってきた熊本の中本選手ですが、ここでは単騎となりました。

 1番車に清水選手が入っただけに、前を取った犬伏選手の突っ張り先行から、番手の取鳥選手が発進。いわゆる「3段ロケット」となった、清水選手の地元記念大会6連覇が濃厚となってきました。

 もし、清水選手が負けるとするのなら、先に抜け出した取鳥選手を捕らえきれなかった時。もしくは中四国ラインの後ろからレースを進めている、古性選手の差し切りと言ったところでしょうか。

 前大会の寛仁親王牌を優勝し、今年GI・3勝目をあげている古性選手ですが、勝った二次予選と準決勝のインタビューでも答えているように、本人としてはそこまで本調子ではないのでしょう。

 玉野競輪場は3コーナーから外に振られがちになる「皿バンク」となっていますが、それでも古性選手は、準決勝では7番手から上がり11.1で捲り切りました。この走りは状態の良しあしではなく、スキルの違いだと言わざるを得ません。

 古性選手は決勝に向けて状態も良くなっている感もあるだけに、あわよくば…との期待もかけたくなりますが、今大会の清水選手は輪をかけて調子も良さそうです。

 また、番手を任されている取鳥選手も、前を任せた犬伏選手を残せるほどの器用な走りはできないだけに、早いタイミングで番手から出ていくはずです。並びだけでなく展開的にも、やはり清水選手が優勝に最も近いと言えます。

 他のラインは取鳥選手の番手を狙っていく作戦もありますが、単騎となった中本選手だけでなく、京都ラインも無理をしてまで、その位置を狙ってくるとは思えません。

 ここで清水選手が地元記念6連覇を果たすようだと【KEIRINグランプリ2023】の出場は、賞金的にも濃厚(現在は賞金ランキングで6位)となってきます。

 海の近くということも手伝って、風の影響を受けやすい玉野バンクですが、5日は好天、風もそれほど強くは吹かない予報となっています。そのベストコンディションの中で、清水選手が前人未到の大記録を、更に塗り替えてくれることでしょう。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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