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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【寛仁親王牌予想】調子と展開から推奨する穴レースは4Rと5R!帝王・山田裕仁が”買えるヨーロッパ”選手を紹介

2023/10/20 (金) 23:00 20

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

展開がハマりそうな人気薄の取鳥ラインから

【予想レース①】
弥彦4R 寛仁親王牌(GI)S級選抜

①渡邉雄太(105期=静岡・28歳)
②吉田有希(119期=茨城・22歳)
③柏野智典(88期=岡山・45歳)
④佐々木龍(109期=神奈川・32歳)
⑤椎木尾拓哉(93期=和歌山・38歳)
⑥福田知也(88期=神奈川・41歳)
⑦吉澤純平(101期=茨城・38歳)
⑧取鳥雄吾(107期=岡山・28歳)
⑨和田真久留(99期=神奈川・32歳)

【並び予想】
←①⑨④⑥(南関東)②⑦(関東)⑧③(中国)⑤(単騎)

【注目のヨーロッパ】
⑧取鳥雄吾

取鳥雄吾(撮影:北山宏一)

 三分戦で、単騎が1名という構成。ここは、4車ラインで車番にも恵まれた南関東勢が、積極的に主導権を奪いにくることだろう。先頭を任された①渡邉雄や、番手を回る⑨和田真が人気の中心となりそうだが、それに「待った」をかけるのが関東勢。その先頭である②吉田有は連日積極的なレースをしており、ここも自分の持ち味を生かすため、主導権争いに加わってくる可能性が高い。

 南関東勢は、初手で前受けしてからの突っ張り先行と、いったん前を斬らせてからのカマシ先行のどちらもありうる。ただし、機動力のある②吉田有を相手に突っ張るのはできれば避けたい--と①渡邉雄は考えそうだ。後ろ攻めとなりそうな中国勢が前を斬りにいった場合には、すんなり斬らせてくれる可能性が十分にありそう。このケースだと、中団の②吉田有が間髪を入れずに前を斬りにきそうだ。

 そうなれば、後方に置かれるわけにはいかない①渡邉雄は主導権を奪うべくカマシにきそうだが、先頭の②吉田有は全力で抵抗。番手に同県の⑦吉澤純がいるのもあって、徹底先行の構えをとることだろう。そして、前が主導権を争ってもがき合う展開となれば、“漁夫の利”は中国ライン先頭の⑧取鳥雄に転がり込む。仕掛けるタイミングを見定めてのひとまくりで、2日目の第1Rと同様に③柏野智とのワンツーが決まるとみた。

 ①渡邉雄が前を叩きにこなかった場合も、⑧取鳥雄は「買い」。このケースだと中団でうまく立ち回れるはずで、関東勢を捲りきれるだけの脚力もデキもある。もっとも人気のないラインとなりそうなここは、逆に狙い目なのだ。捲る競輪での勝負となりそうなので、アタマは⑧取鳥雄に固定。⑧取鳥雄マークの③柏野智が当然ながら相手本線で、2車単の裏まで押さえるかどうかはオッズ次第だ。

 3連単は、この組み合わせから①⑨②⑦⑤を3着に塗るカタチを推奨。スジ車券なので大ホームランとはいかないだろうが、買い目の点数が少ないのもあって、的中率と回収率のバランスがいい買い目となるはずである。

「番手戦」になりそうなメンバー構成で買える久米

【予想レース⓶】
弥彦5R 寛仁親王牌(GI)S級選抜

①山田英明(89期=佐賀・40歳)
②清水裕友(105期=山口・28歳)
③内藤秀久(89期=神奈川・41歳)
④久米康平(100期=徳島・32歳)
⑤山崎賢人(111期=長崎・30歳)
⑥中島詩音(119期=山梨・25歳)
⑦岡村潤(86期=静岡・41歳)
⑧新村穣(119期=神奈川・30歳)
⑨和田圭(92期=宮城・37歳)

【並び予想】
←⑤①(九州)②④(中四国)⑧③⑦(南関東)⑥(単騎)⑨(単騎)

【注目のヨーロッパ】
④久米康平

久米康平(撮影:北山宏一)

 こちらは、ラインが3つに単騎が2名というコマ切れ戦で、展開が結果を大きく左右しそう。②清水裕や⑤山崎賢といった“銘柄級”が出走するが、それでも断然の人気を集めるようなことはないはずだ。また、どこが主導権を奪いにくるかがハッキリしているのも、このレースのポイント。バック回数が他を圧倒している⑧新村穣が、主導権を奪って積極的に逃げる展開をつくり出そうとするはずである。

 唯一の3車ラインという“数の利”を生かせるのだから、⑧新村穣が逃げること自体は正解。しかし、他のラインの先頭が②清水裕や⑤山崎賢となると、さすがに相手が悪い。⑤山崎賢は一次予選が4着、二次予選では9着といい着をとれていないが、後方から捲った初日の走りはなかなか力強いもの。二次予選は、番手が離れてしまったところを犬伏湧に入られるなど、展開に泣かされた上での結果だった。

 とはいえ、⑤山崎賢は先月の青森・共同通信社杯(GII)で落車しているだけに、万全のデキとも思えない。車番に恵まれたので、前受けから⑧新村穣との主導権争いに持ち込むケースも考えられるが、ここは自分の持ち味をより発揮しやすい「後方からの捲り」で勝負してくる可能性のほうが高い。番手の①山田英ともども人気の一角に推されるだろうが、そう簡単に捲りきれる相手関係でもないので、配当妙味はなさそうだ。

 それとは対照的に、中団でうまく立ち回れそうなのが②清水裕。機動力上位なので、やる気になれば主導権も奪えるだろうが、南関東勢や九州勢の出方をうかがいながら中団から捲ったほうが展開有利だ。一次予選こそ9着に終わったが、圧勝だった2日目の走りから、デキは悪くはないはず。また、グランプリ出場に向けて賞金をここで少しでも上積みしておきたいとも考えるはずである。

 つまりここは、展開有利でモチベーションも高い②清水裕を信頼すべきレース--ということにはなるが、車券的に美味しいのはその番手を回る④久米康の「差し目」のほう。本当にいい状態ならば、道中で佐々木雄と絡んだとはいえ、一次予選であそこまで負けてはいない。ライン先頭よりも番手に展開が向く、いわゆる「番手戦」になりそうなメンバー構成というのも、④久米康の差し目を推す理由のひとつである。

 2車単は④→②と②→④の折り返しがド本線で、④久米康が差す“裏目千両”パターンを期待したいところ。3連単はこの組み合わせから、3着候補に⑤①②④⑨を塗るカタチを推奨する。2日目の圧勝もあって②清水裕はけっこう人気するだろうが、展開が厳しくなりそうな南関東勢の「消し」や九州勢を3着でしか買わないことで、期待値をかなり押し上げられると予測する。

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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