閉じる
山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【寛仁親王牌予想】展開と調子から穴レースを推奨!4レースと10レースが狙い目

2023/10/22 (日) 08:00 6

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

地元戦で結果の出ていない菊池だが、ここなら…

【予想レース①】
弥彦4R 寛仁親王牌(GI)S級選抜

①志田龍星(119期=岐阜・26歳)
②菅田壱道(91期=宮城・37歳)
③中本匠栄(97期=熊本・36歳)
④菊池岳仁(117期=長野・23歳)
⑤香川雄介(76期=香川・49歳)
⑥末木浩二(109期=山梨・32歳)
⑦稲垣裕之(86期=京都・46歳)
⑧福田知也(88期=神奈川・41歳)
⑨坂口晃輔(95期=三重・35歳)

【並び予想】
←②⑧(混成)①⑨(中部)③⑤(混成)④⑥(関東)⑦(単騎)

【注目のヨーロッパ】
④菊池岳仁
⑥末木浩二

菊池岳仁(写真撮影:チャリ・ロト)

 こちらは、2車ラインが4つに単騎が1名というコマ切れ戦。このシリーズでいい結果を出せなかった選手ばかりだが、それだけに最終日に期するものがありそうだ。ここで主導権を争うのは、中部ライン先頭の①志田龍と関東ライン先頭の④菊池岳。他地区との混成ラインとなった②菅田壱や③中本匠は、中団でうまく立ち回ろうとするか、もしくは覚悟を決めて、後方からの捲りで勝負してくる可能性が高い。

 1番車となった①志田龍だが、ここでの前受けは避けたいと考えそう。スタートを②菅田壱に取らせて、初手3番手からのレースになると予測する。その後ろには③中本匠が先頭の混成ラインがつけて、関東勢のや単騎の⑦稲垣裕は後方から。後ろ攻めとなった④菊池岳は青板周回中に、先頭の②菅田壱ではなく、その後ろにいる①志田龍の外を抑えにいくのではなかろうか。

 このカタチになれば、あとは④菊池岳がどこから動き出すか次第。打鐘前あたりで前へと踏み込んで主導権を奪いにいくのが基本パターンだが、早めに前を斬りにいったとしても、先頭の②菅田壱が突っ張る確率は低く、その後に後方となった③中本匠が前を叩きにくる可能性も低い。つまり、このシナリオ通りに事が進めば、④菊池岳は意外なほどすんなりと主導権を取れてしまうのである。

 ④菊池岳はここまで9着、7着、9着という冴えない結果に終わっているが、ここは調子がよくない選手ばかり走っているレース。楽に主導権を奪える展開ならば、最後まで粘りきれるとみた。この展開で怖いのは3番手から捲る②菅田壱だが、そのデキは④菊池岳よりもさらに冴えないもの。ライン番手の⑥末木浩がキッチリ仕事をすれば、関東のどちらかが勝つレースに持ち込める。

 というわけで、ここは④菊池岳と⑥末木浩からの勝負を推奨。かなりの混戦模様なので、④→⑥や⑥→④はもちろん、ここからの「スジ違い」も押さえておきたいところだ。決着パターン次第では、かなりの高配当まで狙えるはず。単騎の⑦稲垣裕に展開が向くケースもありそうなので、相手は手広く拾っておきたい。

今シリーズの成田は調子◎ 渡邉の逃げで勝利も

【予想レース⓶】
弥彦10R 寛仁親王牌(GI)S級特別優秀

①松浦悠士(98期=広島・32歳)
②浅井康太(90期=三重・39歳)
③松谷秀幸(96期=神奈川・41歳)
④荒井崇博(82期=長崎・45歳)
⑤山口拳矢(117期=岐阜・27歳)
⑥渡邉一成(88期=福島・40歳)
⑦東口善朋(85期=和歌山・44歳)
⑧成田和也(88期=福島・44歳)
⑨三谷竜生(101期=奈良・36歳)

【並び予想】
←⑥⑧(北日本)①④(混成)⑤②(中部)③(単騎)⑨⑦(近畿)

【注目のヨーロッパ】
④荒井崇博
⑧成田和也

成田和也(写真撮影:チャリ・ロト)

 S級S班が2名しか決勝戦に勝ち上がれなかったのもあって、7レース以降は“銘柄級”や有力選手がゴロゴロしているハイレベル戦に。この第10レースには、S級S班の①松浦悠や今年のダービー王である⑤山口拳が出走している。とはいえ、①松浦悠のデキは「本調子にはまだまだ」といったところで、調子がよさそうな選手が多いここに入っての自力勝負となると、いささか分が悪い。

 そういった理由もあり、堅く決まると読むならば、⑤山口拳が先頭の中部勢を狙いたいところ。負け戦らしく思い切りのいい走りで、中団から捲っての1着や、番手の②浅井康が差しての中部ワンツーなどが、いちばんイメージしやすい。実際に「通常の予想」のほうでは、中部勢が優勢という予想や印を出している。しかし、波乱が前提であれば話は別。じつは、ここはヨーロッパ狙いも面白そうなレースなのである。

 注目するのは2名で、まずは⑥渡邉一の番手を回る⑧成田和から。ここは⑥渡邉一の「逃げイチ」といえる番組で、車番に恵まれなかった北日本勢でもスタートが取れそう。⑥渡邉一は前受けから突っ張って、自分らしい走りに徹することだろう。また、番手が同県の⑧成田和であるというのも、そう考える理由のひとつ。イメージ以上に気っ風のいい逃げで、レースを引っ張る可能性がある。

 その番手を回る⑧成田和のデキが素晴らしい。残念ながら準決勝では5着に敗れたが、初日や2日目の走りから調子がいいのは間違いなく、⑥渡邉一の走り次第で好勝負できる可能性が十分にある。この場合、さすがに⑥渡邉一を残すような走りをするのは難しいはずなので、相手には「別線」を選びたい。⑧成田和から流す車券ならば、2車単でもけっこうな配当が期待できるはずだ。

 もうひとりの注目選手が、①松浦悠と連係する④荒井崇。デキのよさはもちろんのこと、気合いの入り方が尋常ではない。二次予選で5着に敗れるも、3日目の特選では番手の仕事をキッチリ果たしてから、松本秀を差して1着。気持ちの強さが感じられる④荒井崇らしい走りができており、道中での立ち回りが非常に巧い①松浦悠の番手というのも魅力大。①松浦悠の走り次第では、こちらも勝負になる。

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

閉じる

山田裕仁コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票