ガールズケイリンが誕生した当時の風潮

　オレが生まれる前の話だから当時の詳細はわからず、先人からうかがったことが頭の隅に残っているくらいだが。1949年に女子選手だけでレースを競う「女子競輪」が産声をあげ、15年間の活動を経て幕を閉じた。それから半世紀あまりを経て2012年7月に「ガールズケイリン」という名で生まれ変わり、華麗に復活を成したってわけ。

　ガールズケイリンがスタートした当初、関係者の間では「女子選手のレースで盛り上がるのか？」という風潮があったことを覚えている。正直にいえばオレだってそのうちの一人。「どうなるんだろう？ 大丈夫なのか？」と不安が先行していたもんだよ。

　だが！ そんな不安を一蹴し、ガールズケイリンは成長と進化を我々に見せつけてきた！ 今ではファンの声援はとてつもなく、目を見張るばかりの盛況ぶり！ 男子の競輪はライン戦であり、そこから大いにレース形態は異なる。ガールズケイリンは“点”の勝負であり、“個”の勝負。各選手の特性がぶつかり合い、脚質の違いによる駆け引きだったりが面白い。スタート当初の不安はまさに徒労！ すっかりとファンの心を掴んでいる。

選手たちのレベルアップが人気支える

　昨年6月29日〜7月1日には平塚競輪場でガールズケイリン10周年を記念し「ALL GIRL'S 10th Anniversary」が開催となった。全レースがガールズ選手によるトーナメントバトルってわけ。スケールアップした姿を見せつけ、この10年で選手たちも相当なレベルアップをしてきたことを思い知らされた。いろいろな記録が打ち立てられては塗り替えられ、レースの迫力も上がる一方。すげえことだと思うよ。

　そして今年、岸和田の高松宮記念杯で初のGI戦「パールカップ」が新設され、今回松戸で行われるGI戦とFII戦の同時開催「第1回オールガールズクラシック」も新設。男子競輪よろしく「GIを勝てばグランプリの切符」ってスタイルに変貌を遂げた。進化を遂げながら今日を迎えたことを大変おめでたいことだと思う。

　今年、新しい歴史の扉が開くと言っても過言はねえべ。松戸で誰が、この歴史に名を刻むのか。華やかな戦いの影では“悲喜こもごも”のドラマがあったことを踏まえ、応援を楽しみたい！

ガールズケイリンに見る日本VS日本

　オレのコラムを読んでくれてるみなさんは松戸33バンクは「後手を踏んだら勝てねえ」ってことは忘れてねえと思う。このあたりのバンク特性は今節の勝負を分けるキーポイントになろうよ。4角回ればすぐにゴール線！ 予想をする上で選手たちの脚質やバンク相性は要チェックだべ。

　それとオレが今回のGIで注目しているのは「日本VS日本」ってこと。パールカップで優勝した児玉碧衣さんをはじめ、日本のガールズケイリンを主戦場にやってる選手たちは「ナショナルチーム」への意識がある。一方、ナショナルチームの面々も世界を舞台に戦い結果を出している。そしてタイミングさえ合えばガールズケイリンを走り、その都度“スピード”と“力”で魅せ圧倒している。

　双方の気持ちがぶつかり合い、同じ日本人女子だが、背景が違う。ゾクゾクするレースになること請け合いだべ。それに久米詩さんなどナショナルの練習を取り入れている選手も数多いと聞く。みなレベルアップのために必死のままに毎日を過ごし当日を迎えるだろう！ オレの地元松戸バンクで“女のプライド”が火花散らす！ これを見逃す手はねえ！

　シリーズはGI、FIIともにレースをピックアップして予想を出すよ！ ウマい車券で公開するからそちらのチェックもよろしくどうぞ(*^^)v