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鈴木誠のハイブリッド展望

【大楠賞争奪戦予想】4車連携の中四国ラインを崩すのはどのラインだ?/鈴木誠の展望

2021/04/25 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は武雄競輪場で開催されている大楠賞争奪戦の決勝レース展望です。

準決勝で圧倒的な強さを見せたS級S班が、4人揃って決勝進出!

【大楠賞争奪戦】が行われる武雄競輪場は、年間を通して、風の影響も無く走りやすいですが、400バンクで直線も長く、 最後は実力のある選手が届くイメージでした。

 今大会に出場したS級S班の4人は初日から調子が良く、実際に準決勝では力を付けてきた若手の自力型選手を、寄せ付けないような走りを見せていました。

 若手の自力型の選手が思い切った先行をして、そこからラインの選手が番手捲りを仕掛けてくるのが、だいたい2コーナー過ぎからなのですが、準決勝に出走したS級S班の選手たちは、それよりも早い仕掛けをしていました。そうなると、若手の自力型の選手対S級S班の選手となるわけですから、力の違いが歴然と出てしまったのではないかと思います。

 決勝でもS級S班の並びがどうなるかに注目していましたが、共にS級S班である中国ラインの2人は、初日の特選と同じように、清水選手-松浦選手の並びとなりました。その後ろには小倉選手-室井選手と徳島の2人が付けたことで、中四国ラインは4人となります。

 南関東ラインはS級S班の郡司選手が前で、その後ろには、こちらも特選と同じように岩本選手が回り、3番手を固めるのがS級S班の佐藤選手となりました。

 そして、地元佐賀で唯一決勝に進んだ山田兄弟ですが、弟の山田(庸)選手が前で、兄の山田(英)選手が後ろを回ります。

 展開ですが、事故点が多い山田(庸)選手が、前を取りにいくはず。ただ、山田(庸)選手の先行は無いと見ているので、南関東ラインと佐藤選手の後ろからレースを進めていく中四国ラインは、清水選手が打鐘の前に郡司選手のことを抑えにかかると見ています。

 そこで郡司選手が引いた場合、引かなかった場合のどちらでも、清水選手は打鐘のタイミングを目掛けて発進していきそうです。その時に5番手に入るのは佐賀の2人であり、今大会で調子のいい山田(庸)選手ならば、強引に先捲りを仕掛けてくるとは思いますが、そこは清水選手も分かっているので、更にスピードを上げていくはずです。

 こうなると、清水選手の後ろで番手捲りのタイミングを計っている、松浦選手に状態が生まれてきます。松浦選手は【ウィナーズカップ】で先行を見せてから、一気に調子が上向きになってきた印象があります。この展開になれば、その後ろを回っている徳島の2人、特に小倉選手にもチャンスが出てきそうです。

 ただ、S級S班の郡司選手も黙ってはいないでしょう。初日の特選でも先行して、2着に残ったように調子も良さそうですし、後方からの発進でも充分に巻き返すことができると思います。

 また、一発があるとするのならば、山田(庸)選手のがむしゃらな捲りの後ろに乗っかってきそうな、山田(英)選手です。S級S班の選手たちとは力の違いこそありますが、地元の意地もあるでしょうし、弟の援護も力に変えて、タイトルへと近づいてもらいたいです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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