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鈴木誠のハイブリッド展望

【奈良競輪G3・秋篠賞予想】共に3連勝で決勝へと勝ち上がってきた、先行選手同士の熱い戦い!/鈴木誠の展望

2021/05/02 (日) 12:00 1

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は奈良競輪場で開催されている秋篠賞の決勝レース展望です。

展開1つで流れがガラリと変わる330バンク!

【奈良競輪G3・秋篠賞】の並びですが、近畿ラインの先行を任せられた中西選手の後ろは地元の三谷選手となり、3番手を鷲田選手が固めることになりました。

 同じく3車でのラインとなったのが、香川の石原選手-福島選手の後ろに大川選手が付けた中四国ラインです。中部ラインは吉田選手-松崎選手で並び、久木原選手は単騎となります。

 今大会はS級S班の選手こそ出場していなかったものの、若手の先行選手が溌溂としたレースで大会を盛り上げていました。

 その意味でも若手の先行選手の2人(岩谷選手、佐伯選手)と、今大会で調子の良さが目立つ中西選手の対決となった、準決勝の11Rに注目をしていたのですが、結果は若手の2人が落車。

 スタートけん制をするなど、2人をかなり意識していた中西選手にとっては、恵まれた結果になりました。しかしながら、決勝にも3連勝で勝ち上がってきた石原選手がいます。

 決勝も中西選手と石原選手の先行争いとなりそうです。吉田選手も先行、あるいは中団から捲りに行きたいところですが、この3日間を見ていても、中西選手と石原選手との脚力との比較では、見劣りしてしまうのも事実です。

 決勝で先行するのは石原選手だと見ています。この2人を比べると、中西選手は近畿で行われるこの大会で優勝をしたいと強く思っているはずです。

 一方、石原選手は優勝するためのレースをしながらも、今後、先行選手として名前を売っていきたいとの考えもあると思います。この辺はチャレンジャー(石原選手)と、その挑戦を受けて立つ者(中西選手)とのスタンスの違いもあるのでしょう。

 枠番的にも前を取りに行くのは、中西選手となりそうです。そうなると石原選手は中団にポジションを構えて、後にいた吉田選手が中西選手を抑えにかかったタイミングで、一気に先行をしていくのではないかと思います。

 そこで、中西選手が早めに巻き返せるかどうかが1つのポイントとなります。もう1つのポイントが、330バンクで先行した石原選手が仕掛けてからの2週を、調子のいい中西選手相手に持たせられるのかでしょう。

 その後ろにいる吉田選手と久木原選手は早めには仕掛けてこないはず。ただ、2人が長く先行争いを繰り広げて脚を使うようだと、吉田選手と久木原選手にも捲れるチャンスは出てくると思います。

 中西選手と石原選手がけん制しあうようなら、吉田選手や久木原選手が前受けをする可能性も無いとは言えませんし、展開1つで有利不利がハッキリと出る330バンク。実力のある選手が勝てないこともしばしばあるだけに、蓋を開けてみればアッという結果になっているのかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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