つばぴょんが笑って

　岸和田競輪場で「第74回高松宮記念杯競輪(GI)」が6月13〜18日の6日間の日程で開催される。13〜15日には待望のガールズケイリンの初GIになる「第1回パールカップ」も行われる。“宮杯”のスーパーバージョンアップに、心が躍る。

　北津留翼(38歳・福岡＝90期)が帰ってくる。1月小倉競輪で先頭誘導員早期追い抜きの失格をしてしまい、2〜5月があっせん停止。収入がないため、コンビニでのバイト疑惑も出たくらいだが、連絡するといつも元気で、全国で行われるマウンテンバイクの大会を楽しんでいるようだった。

　また、長女の千羽さんがガールズケイリンの選手を目指すとのことで、うれしそうだった。細々、ガールズケイリンについても研究したそうだ。科学者にでもなっていればアインシュタインやニュートンクラスの研究力がある男。「ガールズケイリン、走りたいっすね〜」とでも言うのだろう。すべてを娘さんに伝授することを期待し、現世ではボーイズ競輪を頑張り抜いてほしい。

「北津留翼のGI優勝をあきらめない」が、我が党“人民競輪自由飲酒党”の党是である。

昼間の5走は、ちょっと違う

　高松宮記念杯は今大会から6日制に変更されることになるが、5走の過酷さは選手みなが口を揃える。競輪祭とオールスターはナイターの5走。前半3日間は、1〜8Rが男子のプログラムになるので、準備時間、アップにも気を付けないといけない。

　脇本雄太(34歳・福井＝94期)が自身のコラムで指摘していたことでもあり、非常に気になるもの。とはいえ、そこはみながプロ。賞金も上がっているので、どのレースでも熱戦になるだろう。連覇を目指す古性優作(32歳・大阪=100期)も現状の充実ぶりから、最高の戦いを見せてくれるに違いない。

　あとは、近畿軍団として数多く活躍できるかどうか。平塚競輪の日本選手権の分は、地元近畿地区のここで取り返すしかない。

若者の時代が来るのか

　今年に入り、「GIを獲れる」と評されるようになったのが、犬伏湧也(27歳・徳島＝119期)と嘉永泰斗(25歳・熊本＝113期)だ。S班勢が今年、ケガに見舞われていることもあり、一気に風景を変えるのかもしれない。

　無論、ダービー王となった山口拳矢(27歳・岐阜＝117期)も求められるものがある。大垣記念では悔しい結果に終わったが、大きく取り返すポテンシャルは誰もが疑わないだろう。

　また、さらに若者の速度を加速させる選手が現れるのか。ベテランが踏ん張り抜くのか。「今年絶対にGI優勝を」と誰よりも強く思っている小松崎大地(40歳・福島＝99期)など、このまま終われない男たちも多くいる。

ガールズケイリンGIの創設

　ついにガールズケイリンのGIが生まれ、優勝者には「ガールズグランプリ」の出場権が与えられる「パールカップ」。かける思いが一番強いのは石井寛子(37歳・東京＝104期)ではないかと思う。

　ガールズケイリンができる前から、エキシビションや自転車競技で、礎を作ってきた。デビューからの活躍は言うまでもないが、まだこれからの人物だ。

　昨年のガールズグランプリではアクシデントがあり、自身はデビューから続いていた無失格が途絶えた。ガールズケイリンが長く続くために何が重要かを、誰よりも考えてきた。このシリーズを“石井寛子”全開の走りで制し、またその価値を高めていく。

　研究レベルはキュリー夫人、責任感はナイチンゲール。ガールズケイリン界の偉人の戦いにエールを送りたい。

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