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鈴木誠のハイブリッド展望

【日本選手権競輪予想】絶対王者の脇本にストップをかけるのは、好調な清水と新山! 脇本よりも早い仕掛けで「ダービー王」の称号を手にする!/鈴木誠の展望

2023/05/07 (日) 12:00 6

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は平塚競輪場で開催されている日本選手権競輪の決勝レース展望です。

準決勝で脇本に先行を許した犬伏だが、決勝は積極的なレースで借りを返す!

 悪天候が予想されていた開催5日目の平塚競輪場でしたが、幸いなことに雨は降らなかったものの、バンク内には強風が吹き荒れていました。

 風向き的にバックが追い風となっていたからか、先行選手のスピードが更に増していた印象もあった中で、桁違いの脚を使っていたのが、準決勝の10レースを制した脇本選手でした。

 脇本選手は他のラインを叩くかのように残り1週半で先行します。そのスピードは番手に付けていた古性選手が離れていったほどです。

 しかも、あれだけの距離を踏みながらでも、上がりタイムは10秒7を記録しています。皆さんも決勝は脇本選手で仕方ない、と思ったのではないのでしょうか。

 ただ、今大会は特選から積極的なレース内容で2着をはずしていないどころか、準決勝でも突っ張り先行を見せていた、新山選手の調子の良さが目立っています。

 そして、決勝に進んできた中四国の並びを見た時に、波乱の目はあるぞと思えてきました。

 決勝の並びですが、準決勝と一緒になったのが、近畿ラインの脇本選手-古性選手。そして、北日本ラインの新山選手-佐藤選手-和田選手です。

 注目していた中四国ラインは、犬伏選手-清水選手-香川選手の並びとなりました。

 一見、同じ四国の犬伏選手と香川選手の結びつきが強くも見えますが、香川選手は準決勝で清水選手の番手となっていますし、中四国ラインから優勝者を出していくという思いも感じられます。そして、山口選手は単騎となりました。

 この並びとなれば、犬伏選手と新山選手の先行争いに注目したくなりますが、スタートを脇本選手が取った場合、中段を取るのは車番的にも新山選手。そして犬伏選手は後方からのレースとなるでしょう。

 犬伏選手が脇本選手を抑えにかかったとき、新山選手は一旦突っ張っていくだけでなく、場合によっては先行争いを繰り広げていくかもしれません。ただ、そこで2人がやりやってしまうと、車を後方に下げた脇本選手には、絶好の展開となってしまいます。

 ここは犬伏選手が先行、中四国ラインの後ろを新山選手が付いていった方が、両者共倒れとはならないはずです。

 新山選手は犬伏選手を先に出しても、4番手からレースを運んでいけます。今の調子の良さならば、中四国ラインを交わしきれるはずです。

 なおかつ前のポジションから先に動き出してしまえば、いくら脇本選手が準決勝以上の速い上がりタイムを使っても、捲り切るのは困難でしょう。

 ただ、新山選手が動き出していく前に、先行した犬伏選手の番手から捲っていきそうなのが、準決勝では強いレースを見せてくれた清水選手です。

 前を任された犬伏選手も先行選手としては、脇本選手や新山選手に匹敵するようなスピードも持ち合わせています。準決勝では先行も考えていたと思いますが、後ろにいた脇本選手に一気に行かれてしまったのは、かなり悔しかったはずです。

 この決勝では番手に清水選手が付けてくれただけに、更に思いきって踏み出して行けるはずです。清水選手はその犬伏選手のスピードをもらう形で、早めに番手捲りを繰り出していけたのならば、2020年以来のGI優勝は十分にあり得ると思います。

 脇本選手は展開的にも清水選手と新山選手の捲り合戦をその上から捲り切れるか、捲り切れないかのどちらかとなるでしょう。

 番手を回っている古性選手とのタテ目は買い目に入れておきますが、それならば清水選手と新山選手の裏表の三連単、もしくは清水選手と、新山選手の後ろから抜け出してきそうな佐藤選手を絡めた車券で、高配当を狙ってみたくなります。

 単騎の山口選手はラインの切れ目か、先行していきそうなラインの後ろからのレースとなります。一瞬の切れはありますが、単騎戦でこのメンバーを相手に戦っていくのはかなり厳しいと言えます。

 あとは当日の天気がポイントとなります。メインレースの頃には雨が降る予想が出ており、バンク内には強い風が吹いていそうです。そうなれば、先行した選手が更に有利となります。

 開催最終日となる6日目も場内では様々なイベントが行われます。自分も予想イベントに参加させていただきますが、お越しになる方は雨や風に対する準備をしっかりとしてきて、そしてハイレベルな戦いが期待できそうな、決勝戦を楽しんでください。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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