混成ラインの3番手を選択した東口は、新田の後ろから逆転を狙っていく！

　今年、函館競輪場では初めての記念競輪となった【五稜郭杯争奪戦】ですが、バンクが海と近いので風の影響を受けやすく、現役時に走っていた頃からも、バンクが重い印象がありました。

　しかも、この時期の函館はまだ気温も低いので、重い空気を全身で受け止めている先行選手は、かなり大変だと思います。

　ただ、函館競輪場は選手の中で、希望斡旋ナンバーワンの競輪場でもあります。今大会も前泊や後泊をして食事をしたり、家族や知人へのお土産をする購入している選手は多いかと思います。

　食事に出かける時は地元の選手にオススメの店を聞くのですが、情報の出所が一緒だと、その店に行ったら、選手食堂と変わりないメンバーだったということも良くありました。

　今大会は地元の大森選手や、函館の隣町である北斗市の出身である野口選手の走りにも注目していましたが、2人とも決勝進出とはなりませんでした。

　その決勝メンバーですが、ラインでの上位独占となった準決勝10レースと同じ並びとなったのが、犬伏選手-小倉選手-西田選手の中四国ライン。準決勝11レースでワンツーフィニッシュを決めた熊本ラインもその時と同じように、嘉永選手-中本選手で連携しました。

　意外だったのは北日本の2人（嵯峨選手-新田選手）の後ろに、ここまで3連勝で来ている、和歌山の東口選手が付けた混成ラインです。

　これは初日の特選で新田選手の後ろを、東口選手が回っていたので、決勝でもこの位置を主張できたのだと思います。

　東日本の括りで考えれば、北日本の2人の後ろには、神奈川の和田選手が付けても良かったのでしょうが、そこで東口選手との競り合いもしたくはなかったのでしょう。

　今大会で調子がいいのは、【日本選手権競輪】の決勝でも果敢に先行していった犬伏選手と、二次予選、準決勝と捲りを決めている嘉永選手です。

　嘉永選手はこの決勝で2車となっただけに、先行したラインの後ろから捲りを狙ってくるはずです。そうなると中四国と北日本＋近畿の混成ラインのどちらが先行するかですが、ここは新田選手に前を任せられた嵯峨選手の先行が濃厚だと見ています。

　1番車が新田選手となったので、もし嵯峨選手が前受けをしたのならば、そのまま突っ張り先行も考えているはずですし、そうはさせじと犬伏選手が前受けをした場合でも、後方から抑えにかかる嘉永選手の上から、一気に先行してくると見ています。

　今大会の新田選手は本調子ではありませんが、それでも嵯峨選手が決勝に残ったことで、運が向いてきました。タイミングを見て番手捲りを狙ってくるはずですが、その展開となれば、新田選手の後ろにいる東口選手の完全優勝もありえるでしょう。

　犬伏選手の持ち味は【日本選手権競輪】の決勝のような、スピードの違いで押し切る先行、もしくは捲りとなります。

　ただ、今回はそのスピードを持ってしても、新田選手と東口選手を後ろに付けた、嵯峨選手の先行を止めに行くのは、なかなか大変だと思います。もし、犬伏選手と嵯峨選手が先行争いを繰り広げたとするならば、嘉永選手の捲りが決まる展開も考えられます。

　あとは函館の重いバンクが、どのように影響してくるかとなります。その意味では当日の天気や気温にも注目したいところですが、現地で観戦されているファンの皆さんにも、自分の予想でレースの後は祝勝会ができることを願っています。

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