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すっぴんガールズに恋しました!

ストレート代謝を無くすためにすべきこと 転換期を迎える2023年ガールズケイリン

アプリ限定 2023/01/22 (日) 16:00 155

レース体系が整備され新GIレースに注目が集まる

 2023年はガールズケイリンが大きく変化する1年になる。

 まずは明るい話。ガールズケイリンの悲願だったG1レースがいよいよ新設される。いままでは単発レースのコレクションを優勝することが、年末のグランプリ出場への近道だったが、今年からはG1レースを優勝すればグランプリ出場が確定する。これは男子の競輪と同様で走る選手にとってはモチベーションが上がる要因だ。

 パールカップは男子のG1・高松宮記念杯と同様に東西対抗戦が特色となる。

 オールガールズクラシックは2022年7月に平塚で行われた10周年記念開催の発展型で、女子選手だけの開催で選考期間の獲得賞金上位者を集めた格式の高い大会。

 競輪祭女子王座戦は男子のG1・競輪祭と同じタイミングでの開催。ガールズグランプリ出場権をかけた最後の戦いとなるので、激戦必至の開催になることは間違いない。昨年まで実施されていたグランプリトライアルは選考順位順にグループを2つに分けるいびつな構造だっただけに、改善されたのは朗報だ。

 2023年のグランプリ出場権争いはG1レース優勝者3枠と残りの4枠を獲得賞金順から選ぶ形へ変更される。年間を通した賞金レースだけでなく、G1レースも注目度は高まるはずだ。

都内ホテルで2023年度以降に実施されるガールズケイリンの新たなレース体系が発表された

依然として残る決勝の枠番と失格違反点累積の問題、そして情報開示

 ここからは新設G1レースができることで私案をみっつ言わせていただく。

 まずひとつは決勝戦の枠番。

 2018年5月のコレクション以降、ガールズケイリン特別レースの枠順は選考順位上位から1枠に入れていたが、新設G1レースは3つとも予選、準決、決勝のトーナメント制。決勝の枠番を番組編成が決めることになるので、ここは抽選で枠番を決めるのが面白い。ボートのビッグレースで抽選によって枠番を決めているのがイチファンとして面白いと思ったので、これは演出としても採用していいのではないだろうか。選手からしても地元有利の枠番ではなくなり、自分の運が頼りになる。不公平感がなくなり文句も出ないだろう。

 もうひとつは選考期間内の失格や違反点累積の問題。

 昨年のガールズグランプリは賞金ランキング6位の尾崎睦が選考期間内の失格2回のペナルティーによりグランプリ出場権が剥奪された。以前にも石井貴子(千葉)が5月から8月の累積違反点が120点をオーバーして12月があっせんしない処置になり、グランプリに出られない事象もあった。G1レースができたことでガールズケイリンの注目度は増している。グランプリ出場へ失格何回でアウトなのかをはっきりさせること、あとは男子と同様に12月のあっせんしない処置は翌年1月にスライドすることも提案したい。

尾崎睦

 さいごは情報の開示です。

 G1の盛り上がりに必要なのはあおり。G1が新しく3つ始まるタイミングで動いてほしいことは情報の開示だ。選考期間のランキングはファン、関係者が一番知りたい情報だろう。パールカップなら東日本、西日本に分けて競走得点順、クラシックなら選考用賞金順、女子王座戦なら決勝戦1〜3着の回数。

 現在情報を開示しているのは、独自にランキング表を製作しSNSに載せている競輪ファンぐらい。せっかくガールズケイリン専用のホームページがあるのだから、運営には1日ごとの更新を目指してほしい。

 ランキングは車券購入に大きくつながる情報だ。「○○選手はG1出場に勝負駆け」とランキング表を見れば一目瞭然となれば、ファンの車券購買意欲は増していくだろう。売り上げアップに大事なことは細かい情報だと思う。

近年顕著な“ストレート代謝”を無くすために思い切った改善策を

 そして手を付けるべき問題がもうひとつ。新人選手の扱いだ。

 ガールズケイリンに登録審査制度(代謝制度)が導入されたのが2014年後期の審査から。108期以降は各期でストレート3期で代謝制度により辞める選手が出ている。

 競輪はギャンブルである以上、成績が悪い選手を整理されていかないといけないのは事実ではあるが、ガールズケイリンではあまりにもストレートでクビになる選手が多すぎる。118期で2人、120期で3人とここ数回は特に目につくので改善の余地がある。

 ガールズケイリンは選手数が少なく、クラス分けができない状況だ。もし今の人数でクラスを分けると同じ選手同士の対戦が増えてしまう恐れがあるので、もう少し選手数が増えてくれば級班問題は議論するべきだが、現状でできることを探るならば、新人選手の取り扱いかただと思う。

 118期からルーキーシリーズが新設されたが、新人同士での戦いが終わるとすぐに先輩との対戦が待っている。新人選手がグランプリ出場レーサーとの対戦でいきなり動いて勝つことは可能性が低い。現状はレースの流れに乗ることで精いっぱいになっている場面を多く目にする。

 今回代謝になる120期3人に話を聞いたが、養成所のレースと実際のレースは全く別だったと話している。新人選手がいきなりレースの流れに乗れるはずはないので、1期はノーカウントで走ることを提案したい。代謝の対象になる危険があると、大胆なレースはほぼ無理だ。小さいレースが増えていき、結局現状が変わらないと言う負のスパイラルから抜け出すことは不可能だ。

濱野咲ラストランを舞台裏から見守る仲間たち

 それならばルーキーシリーズと7月から12月の1期間はノーカウントにしてレースを覚える期間を与えてみればどうだろう。男子選手の場合はA級3班格付けでデビューできるが、女子選手はいきなりS級上位選手と走っているのが現状。これ以上ストレート代謝を増やさないためにも思い切った改善策を熱望する。

 ガールズケイリンがより魅力的なスポーツになり、選手になりたいと思える環境作りも期待したい。

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松本直

千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。

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