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平原康多の勝ちペダル

【#6】「勝っても負けても、満足した時点で終わり」/ ウィナーズカップ回顧

2021/03/31 (水) 18:00 20

ウィナーズカップに出場した平原康多選手(提供:チャリロト)

3月25日から松坂競輪場で行われたウィナーズカップ。昨年の同シリーズでは2日目以降欠場となってしまったこともあり“今年こそ”と強い気持ちで挑みましたが、準決勝で4着に敗れ、勝ち上がることができませんでした。

悔しい結果となってしまいましたが、気持ちを切り替え次のレースへと向かいます。今回は共に走った後輩への思いも交えながら、ウィナーズカップを振り返ります。


頑張ってくれた後輩のためにも、1着を取らなければいけなかった

 netkeirinをご覧の皆さんこんにちは、平原康多です。

 GII「ウィナーズカップ」が終わったばかりで、この原稿を書いています。そのウィナーズカップですが、決勝には進めず1着は2次予選の1回だけでした。最終日は失格を喫してしまいました。ファンの方には迷惑をかけたと思います。

結果が残せなかった今年のウィナーズカップ (提供:チャリロト)

 ウィナーズカップというのは若手の登竜門的な意味合いが強い大会です。これは予想できたことですが、特選から準決勝まで目標がいました。初日は眞杉匠君(栃木)が頑張ってくれました。残り600mから全開で先行。大石剣士君(静岡)が襲ってきましたが、出させず行ってくれました。彼の走りには感謝です。しかし、5番手からまくってきた郡司君(神奈川)に行かれてしまいました。自分も番手から出たんですが、ワンテンポ遅れたかもしれません。眞杉君があれだけ頑張ってくれていたのだから、1着を取らなければいけなかった。一瞬の判断ミスが命取りになってしまいました。

 2次予選は同県(埼玉)の後輩である黒沢征治君と連係。3番手は木暮安由君(群馬)。風が相当に強かった中、ここも黒沢君が4番手以下を離して先行でした。結果的に黒沢君を3着まで残せなかったのは自分の力不足。ただ、もう少しかばっていたら外から来た稲川翔君(大阪)にのみ込まれていたと思います。稲川君の勢い、黒沢君の失速を考えた結果でした。

 3日目の準決勝ですが、メンバーを見ると自分を含めGIのタイトルホルダーが4人いる激戦でした。目標は吉田拓矢君(茨城)。自分の後ろには諸橋愛(新潟)さんでした。117期で日本競輪選手養成所を早期に卒業した寺崎浩平君(福井)。そして深谷知広君(静岡)に郡司君との3分戦。寺崎君が残り800mで前に出ました。すぐさま吉田君が寺崎君の上を行こうとしたんです。寺崎君もあの距離では突っ張ることはないだろうとの判断。ところが寺崎君はスピードを緩めず、吉田君と激しい先行争いになりました。こうなってしまうと展開は深谷君に向きます。自分もずっと外を併走状態だったので力をロスしていました。苦しい展開の中、何とか決勝に進めるようにと踏みましたが、4着。勝ち上がることはできませんでした。本当、悔しかったですね。

「何とか決勝に進めるようにと踏みましたが…」(提供:チャリロト)

1日たりとも気は抜けない

 大会終了翌日は、オフにして体のケアを優先しました。4月3日からはウィナーズカップと同じ三重県の四日市記念に参加します。

 28日に終わって2日が前検日。三重県で4日制を2回ではなく、8日制を走っている感覚かな(笑)。今回のウィナーズカップで感じたことがあり、四日市の前には自転車のパーツを少しいじくろうと思っています。具体的にはクランクのメーカーを違うものにして試すつもりです。

 勝った時も満足したことはありません。もちろん、負けた時もです。満足した時点で終わりかなと思っていますから。まだまだやることはたくさんあります。四日市記念の次は地元の西武園記念。さらに日本選手権もあります。1日たりとも気は抜けません。ファンの皆さんの期待に応えるべく日々、頑張っていきます。

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平原康多の勝ちペダル

平原康多

Hirahara Kota

埼玉県狭山市出身。日本競輪学校87期卒。競輪選手・平原康広(28期)を父に持ち、その影響も受けて高校時代から自転車競技をスタート。ジュニア世界自転車競技大会などで活躍し、頭角を現していった。レースデビューは2002年8月5日の西武園。同レースで初勝利を記録。2009年には高松宮記念杯と競輪祭を制し、2010年も高松宮記念杯で勝利。その後もGⅠ決勝進出常連の存在感を示し、2013年は全日本選抜、2014年と2016年には競輪祭、2017年も全日本選抜などで頂点に輝く。最高峰のS級S班に君臨し続け、全国の強者と凌ぎを削っている。

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