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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯に出場する根田空史選手を解説!

2022/12/08 (木) 12:00 4

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は松戸競輪「燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯(GIII)」に出場する根田空史選手を解説する。

⚫︎根田空史

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィールでは身長186cm、体重94kg。競輪界屈指の体型を持つ自力機動力タイプの選手だ。その恵まれた体型から放たれるカマシ捲りは、間違いなく業界トップクラス。脚力だけならSS級選手と張り合えるだろう。

 やはり“デカい”と言うのは有利だ。パワーを生み出す筋肉というのは、基本的に骨の周りにしか付随しない。身長が高ければ高いほど、全身の骨の長さもそれに比例し当然長くなる。つまり筋肉が付随出来る面積が広くなるのだ。

 あくまでも競輪というのは純粋なパワー値を競う競技では無い。レースの組み立てであったり、ハンドル捌き、追走技術などの概念が加わって、初めて1着が取れる競技だ。ただ単に身体がデカいからと言って有利な訳ではないのだが、“デカくて上手い”選手ならば最強だ。まさに平原康多選手がそれを体現している。

 だが残念ながら、根田選手はまだその域に達していない。脚力的なものは充分ながらも、彼の弱点となっているのは、やはり“レースの組み立て”や“横の捌き”といった器用さが求められるポイントだろう。

 根田選手はパワーはあるので、自分のタイミングで逃げて、自分のタイミングで捲れれば、かなり強力な選手だ。しかし競輪は障害物競走。敵に妨害されることが当たり前なので、自分のタイミングで仕掛けることはかなり難しい。根田選手の課題は、常に自分の能力を100%近く発揮出来るようになる“適応力”を磨くこと。そこが今後、根田選手が一流から超一流の選手になる突破口だ。

 根田選手は間違いなくGIレースに優勝出来る素質を持っている。舞台が地元となる燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯で、ステップアップするきっかけを掴んで欲しい。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 この開催の中心は、やはりSS級の清水裕友選手だろう。ここに地元の南関東勢が総力戦で挑んでくる。

 岩本俊介選手、根田空史選手、松井宏佑選手を中心に、追い込み型の和田健太郎選手が名を連ねる。SS級の相手でも互角以上の戦いが出来るだろう。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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