閉じる
毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

新山響平の競輪祭優勝に想う事!

2022/11/28 (月) 13:45 42

新山響平
新山響平

 新山響平の競輪祭優勝で今年のグランプリメンバー9人が揃った。富山G3の飯野祐太とともに、人間が良い新山響平がG1覇者になった快挙。ラインに貢献してきた選手の優勝は嬉しく思う。

「新田祐大に獲らせてもらった」と言うレッテルは、ここしばらく付いて回るし、今度は逃げ切りの優勝でタイトルを獲って欲しい。それを出来るのが、個人的にも新山響平だと思っている。

 もちろん、新山選手とは競輪場だけの関係だしプライベートの付き合いはなく、本当の人間性は分からない。コロナ禍の前なら、祝勝会で六本木や、中州で、どんちゃん騒ぎと言うのが当たり前だった。だけど、新山響平のTwitterを見たら、カップラーメンで夜飯食べて寝ます! の投稿があった。これも、庶民派らしくて良い。

新山響平・佐藤慎太郎
新山響平と佐藤慎太郎(右)

 競輪だから、ドラマ性やレースでのタイムの影響もある。昨年の悔しい準Vが原動力になったとか、前半後半の上がりタイムとか、突き詰めて考える事はたくさんある。だけど、坂井洋が粘った時に、新田祐大はガクーンとペースを落とした。新田のファインプレーだし、そこまで競輪選手は深く競輪を考えて走っているのだと改めて実感した。どこまで作戦会議で話しているか分からないが“あうんの呼吸”で普段からの信頼関係だろう。

 僕個人で言えば、競輪祭は前検日だけの取材だった。決勝の共同インタビューで、並びの経緯を新田祐大は「単純に自分が強いから一番前」のリップサービスには笑った。ここで余計な事を言わない、新田選手もカッコ良いと思った。

新田祐大
新田祐大

 競輪祭の裏開催で前橋ミッドや玉野ナイターを取材していたが、有り得ない並びの決め方が一杯あった。あの競輪祭の北ラインの並びは、深い歴史や過去の経緯からも重みがある。それとは違うのに、同じ地区と言う理由からで、自力、自力で当然の様に若手同士が並ぶ。この時にベテランは3番手になってしまうし、「先輩を3番手に出来ないから別線」とか、「割り切って力勝負をしよう」と言う考えが全くなくなった。S級トップクラスのマーカーなら別だが、普通のA級のマーク選手は煩い事は言わない。

北日本
北ラインの並びは 深い歴史や過去の経緯からも重みがある

 ちょっと前までなら、「自力同士は簡単には並べさせない」と言う、意地になる選手もいたがいなくなった。理由は色々あるが、チャレンジで育った若手選手の弊害。チャレンジは新人同士でも普通に連係するし、この競輪の考えをA級戦にも持ち込んでくる。こちらが半分苦笑いで聞いていると「なんだ、このおっさん記者は…」と思われている事だろう。

 ある選手に言われたが「いつもネット競輪の記事は見ていますよ。共感共鳴出来る部分もあるし、そうでない部分もある。今の競輪の時流に合わせて、アップデートも必要ですよ」。また、違う大物選手には「並びを決めるのは、こっちなのに、はき違えている若手が多い。本当は、そこを教育しないと」。何が正解で何が不正解か分からないけど、思いを募らせて書き続けて行きたい。

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

閉じる

町田洋一コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票