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前田睦生の感情移入

【富山競輪G3・神秘の海富山湾カップ】北陸のトム・クルーズと肥後のガルベス…そしてシャバーニ

2022/11/16 (水) 12:00 14

本物のトム・クルーズ

地元開催に強い男

 富山競輪の「第5回施設整備等協賛競輪 神秘の海富山湾カップ(GIII)」が11月17〜20日に開催される。俗にいう裏GIIIで、今回は競輪祭に出場できなかったメンバーでの争いになる。とはいえ、ここからチャンスをつかむ選手が生まれる開催にもなるので、興味は津々を極める。

 富山といえば、先日799勝目を挙げた小嶋敬二(53歳・石川=74期)だが、今節のあっせんはない。石川には競輪場がないので、長く富山を引っ張ってきた功労者。800勝達成を待つのみだ。

 地元で代役を務めるのは宮越孝治(43歳・富山=82期)。“北陸のトム・クルーズ”と呼ばれ、そのハンサムぶりからもファンが多い。そしてとにかく富山で暴れる。不利な構成でも、執念の一撃を放ち、多くの好配当を繰り出してきた。今回は本線の構成になりそうで、ビタっと決める本命レースに期待しよう。

復活目指すシルバーバック

リアルなシャバーニ

 吉田敏洋(43歳・愛知=85期)は今年前半のケガ、病気からの復活を目指している。叩き上げ中の叩き上げなので、股にできた病巣のせいで「練習できない」ことが不調に陥れた。

 ただし原因がはっきりしていることはまだよくて、練習さえできるようになれば…で徐々に調子を戻してきている。現在、492勝。500勝を年内に達成するには、今回は荒稼ぎしたい。“シャバーニ”と呼ばれる風貌と、シルバーバックというゴリラが持つ性質を、富山の荒ぶる333バンクで発揮する。

 低迷していると言われる中部勢。だが若手も成長してきて、吉田としては「嫌われ役になっても、中部で結果を出すために、言わないといけないことは言うつもりです」と、何をおいても中部のことを考えている。今回、元気な姿を見せることが中部全体に活力をもたらすだろう。

ガルベスとサンダーバードとショウヘイ…

カルシウムは足りているガルベス

 上田尭弥(24歳・熊本=113期)は“肥後のガルベス”と呼ばれ、取鳥雄吾(27歳・岡山=107期)は“瀬戸のサンダーバード”。2人ともGIIIを勝っていておかしくない実力者だ。もう一枚の壁を打ち破れない現状だが、必ずさらに上に行く選手だ。

 カッコいい異名を持つ選手たちが多い中、実にほっこりとさせられる愛称を持つのが北村信明(36歳・徳島=93期)だ。“信明”と書いて“ときひろ”と読む。数多くのケガを乗り越えて、戦い続けるファイターだ。

 そんなファイターなのだが、どうにも笑顔が笑福亭笑瓶そっくりで“ショウヘイ”と呼ばれている。現状では優勝は厳しいかもしれないが、表彰式でとびっきりの「ショウヘイ、ヘーイ!」な笑顔を見せてくれるかもしれない。

ショウヘイ?


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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