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鈴木誠のハイブリッド展望

【周防国府杯争奪戦予想】大会5連覇にリーチをかけたのは、地元のエース清水! 幾多の名勝負を見届けてきた旧スタンドに勝利を届ける!

2022/11/06 (日) 12:00 5

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は防府競輪場で開催されている周防国府杯争奪戦の決勝レース展望です。

好調郡司は捲りに切り替えて優勝を目指す! 後を固める佐藤とSS班でのワンツーも!

 防府競輪場は【周防国府杯争奪戦】の開催の後に、昭和42年に建築された、本場スタンドの改築工事を実施。令和6年の11月まで開催は休止となります。

 ただ、隣接する宿舎は平成11年に作り直されており、その際に宿舎が綺麗になっただけでなく、お風呂も新しくなりました。

 皆様に分かりやすく説明すると、健康ランドをコンパクトにした感じとでもいうのでしょうか。メインとなる大浴場に加えて、打たせ湯や泡風呂もあれば、サウナの後に入る水風呂は檜の浴槽で作られています。

 のんびりと過ごせる宿舎とは対照的に、333バンクで行われるレースは、先行有利とあってか、激しい主導権争いが繰り広げられています。

 特に準決勝は、一瞬の仕掛けるタイミングが勝敗を左右した感もあり、その勝負勘を掴んでいるS級S班の実力者4名が、順当に決勝へと勝ち上がってきました。

 決勝で準決勝の11レースと同じ並びとなったのが、郡司選手-佐藤選手-永澤選手。ここは南関東と東北かつ、郡司選手と佐藤選手はSS班の連携ともなります。

 一方、準決勝の12レースでは上位独占を果たした3人は、清水選手-桑原選手と地元2人の後ろに園田選手が付ける形で、西日本ラインを形成。他には吉田選手-神山選手の関東ライン。初日からの3連勝で、通算400勝を決めた東口選手は単騎となっています。

 この中で注目を集めているのが、大会5連覇がかかる清水選手と言えるでしょう。

 過去の大会を振り返っても、実力もさることながら、地元の大会だけあって、番組にも恵まれた感もあります。

 何よりもこのバンクは走り慣れているだけでなく、他の選手より調整がしやすいのも、これまでの結果に表れているのでしょう。

 ただ、盟友である松浦選手と共に決勝に勝ち上がれなかったのは、清水選手にとって誤算だったかもしれません。それでも、早めに捲っていった準決勝の走りからしても状態は悪くなさそうなだけに、この決勝でも優勝を意識した走りをしてくるはずです。

 決勝メンバーで状態が良さそうなのは郡司選手です。準決勝は最悪でも3着入着を意識した早めの仕掛けながら、最後まで押し切ってしまうかのような走りを見せていました。

 スタート順は1番車が清水選手だけに、西日本ラインが取るでしょう。その後ろが関東ラインで、6番手となった郡司選手は、北日本の2人と単騎の東口選手と共に、前を行く清水選手を抑えにいくはずです。

 その時に後方に置かれた吉田選手は一度インを切ると見ていますが、その展開を見越した清水選手が、ジャンから一気に叩いていくに違いありません。

 後ろには自分と同様に、防府の333バンクを良く知る桑原選手が付けているだけに、かかり切っていれば地元勢のワンツーフィニッシュ、そして、清水選手の大会5連覇も見えてきます。

 ただ、怖いのが捲りに切り替えた郡司選手です。準決勝までの3レースとは違って、この決勝では自分が勝てる位置から踏み出していくはずです。ゴール前では地元の2人を脅かす位置まで来ている可能性は充分にあるだけでなく、清水選手を捲り切れた場合には、準決勝と同じように、ラインでの上位独占も考えられます。

 他に車券候補となりそうなのが、3日間を通して3着が続いているものの、安定感のある走りを見せている吉田選手。単騎の東口選手は切れ目からとなりますが、混戦となった場合には上位に割って入ってくるだけの状態にはあります。

 ただ、この中で誰よりも優勝を意識しているのは、間違いなく清水選手でしょう。それはこの大会を優勝することで、競輪グランプリ出走に近づくからです。

 個人的に清水選手には、大会5連覇という大偉業を成し遂げてもらいたいですし、この後に控える競輪祭、そして、競輪グランプリ出走へと繋がっていくような走りを期待しています。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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