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鈴木誠のハイブリッド展望

【周防国府杯争奪戦予想】前人未到の地元記念7連覇へ! メダリスト太田の先行から、ファンの声援を受けた清水が力強く抜け出す!

2024/11/04 (月) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は防府競輪場で開催されている周防国府杯争奪戦の決勝レース展望です。

穴を開けるのは、今大会で好調な吉田の捲り一発!

【周防国府杯争奪戦】で同一記念大会の7連覇がかかるのが清水選手です。この記録を達成するためにはまず、レースに向けてのコンディションを保てなければいけません。

 勿論、大会の前に怪我といったアクシデントがあれば、出場すら叶わなくなります。地元開催だけに番組面で恵まれているとは言えども、自らの努力と実力が備わっていなければ、決勝進出もままなりません。改めて、この記録には頭が下がるばかりです。

 清水選手の7連覇達成がかかる、【周防国府杯争奪戦】の決勝戦ですが、並びは⑨太田選手-①清水選手-④桑原選手の中国ライン。⑦吉田選手-⑧杉森選手-③武藤選手の関東ライン。西日本ラインとなったのが⑤松本選手-⑥小岩選手で、②菅田選手は単騎戦となりました。

 準決勝と同じ並びとなった中国ラインですが、ここでは太田選手の強さが目立っていました。このレースは前受けをした青野選手が、抑えにいった大石選手を突っ張っていったことで、レースはハイペースで流れていきます。

 スピードで勝る太田選手には願っても無い展開ともなり、近畿勢を分断するような形からの先行となりました。一瞬、連結が離れたように見えましたが、そこは清水選手も踏み直す形となり、結果はラインでの上位独占でした。

 ラインとしての繋がりを証明しただけでなく、1番車に清水選手が入ったことで、中国ラインの前受けが濃厚となりました。車番通りならば、中国ライン3人の後ろには単騎の菅田選手。そして関東ライン、西日本ラインでの隊列となります。

 この並びとなれば、ジャンの前に抑えに行くのは松本選手となりますが、中四国としての関係性もあるだけに、無理に太田選手を抑えにいくのではなく、8番手まで戻ると思います。

 こうなれば太田選手の突っ張り先行にはうってつけとなります。防府競輪場のような333バンクは、残り2周半から誘導員を交わして行けますが、太田選手は残りの約1000mを、1分4秒〜5秒で駆け抜けられる脚力があります。

 太田選手にそのペースでレースの主導権を握られたのならば、後方にいる選手たちはなすすべ無しです。唯一、番手にいる清水選手だけが、準決勝のようにゴール前で交わせるでしょう。

 ただ、並び的に中国ラインの後ろを回っていそうな菅田選手は、充分に車券圏内に入ってくるだけでなく、太田選手と松本選手がやり合うような展開となった時に怖いのが、吉田選手の突っ込みです。

 もし、2人の先行争いが長引くようだと、一瞬の隙をついての先行もあり得るだけでなく、太田選手が先行態勢に入ったとしても、間隙を縫っての捲りも考えられます。

 印としては◎清水選手、〇太田選手の堅い決着を想定していますが、展開次第では△吉田選手や、×菅田選手も侮れない存在です。

 清水選手は現在の賞金ランキングでは6位につけています。【KEIRINグランプリ】出場はかなり有力になってきたとは言えども、大会7連覇を果たして、この後の【競輪祭】にも弾みを付けたいところです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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