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鈴木誠のハイブリッド展望

【競輪祭予想】先行争いを制するのは、同県脇本を従えた寺崎! 元ナショナルチームならではのスピードで、一気に番手から発進する!/鈴木誠の展望

2024/11/24 (日) 15:00 6

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小倉競輪場で開催されている競輪祭の決勝レース展望です。

グランプリ出場は優勝あるのみ! 捲ってくる犬伏の後ろから松浦が飛び出す!

 昨年から【競輪祭】と同時開催で行われている、【競輪祭女子王座戦】では、佐藤水菜選手が盤石の走りで完全優勝を達成しました。

 2位は太田りゆ選手と、パリ五輪の代表だった2人が上位を独占した一方で、地元での大会となった児玉碧衣選手が、1勝もあげられなかったのは驚きでした。

 児玉選手はガールズケイリンにおいて、絶対的な女王として君臨してきました。ただ、近年ではナショナルチームだけでなく、若手選手の台頭も許すようになってきています。

 この結果からすると、年末のガールズグランプリは佐藤選手が大本命に躍り出たとも言えますが、出場が決まっている児玉選手も虎視眈々とリベンジの機会をうかがっているはずです。他の5選手も実力者が揃っているだけに、面白いレースが期待できそうです。

 そして【競輪祭】ですが、準決勝を終えた時点で、年末の【競輪グランプリ】出場選手が確定しつつあります。

 それでも決勝へと勝ち上がってきたほとんどの選手にとって、優勝が【競輪グランプリ】への出場条件となっています。

 その最後の一席を決める決勝戦ですが、並びは⑦犬伏湧也選手-①松浦悠士選手-③荒井崇博選手の西日本ライン。④寺崎浩平選手-②脇本雄太選手-⑥村上博幸選手の近畿ラインがそれぞれ3車。⑧菅田壱道選手-⑤松谷秀幸選手は東日本ラインとなり、⑨浅井康太選手は単騎となります。

 6日間開催で調整が難しい中、ここまで4連勝で来ているのが松浦選手です。調子としては今年一番ではないかと思えるほどの走りを見せていますが、それより驚異的な走りというよりも、桁違いのスピードを見せていたのが、準決勝の脇本選手でした。

 先行した新山響平選手がかかっている中、最終バックでも5番手のポジションとなります。それが、直線だけで他の選手を抜き去っての勝利。スピードのある選手には有利な屋内バンクとは言えども、元東京五輪代表としての、能力の違いを見せつける形となりました。

 しかも、決勝で前を任せられたのは、元ナショナルチームの寺崎選手。3番手も村上選手が固めているだけに、ここは先行も辞さない覚悟でしょう。

 ただ、松浦選手や荒井選手にも託された、犬伏選手も負けてはいられません。ここは寺崎選手を相手に先行争いを繰り広げていくと見ていますが、ただ、同県の脇本選手が後ろにいる分、寺崎選手の方が思い切ったレースをしてくるはずです。

 車番的には1番車の松浦選手となりますが、準決勝ではスタートけん制を見せていたように、ここでも前受けに行かない可能性もあります。2番車は脇本選手ですが、これまでのレースを見ていても、無理にスタートを取りには行かないでしょう。

 そうなると先行は無いものの、他のラインへの飛びつきを狙っている菅田選手が、スタートを取りに行く可能性も想定されます。

 この展開となれば中団は犬伏選手となり、寺崎選手は後方から先行体勢へと入っていきます。この時、菅田選手がそのスピードに合わせきれないようならば、番手にいる脇本選手向きの展開となります。

 ただ、菅田選手が近畿ラインに絡んでいくようだと、犬伏選手の捲りが決まるだけに、番手にいる松浦選手の優勝、そして【競輪グランプリ】出場も現実となっていきます。

 松浦選手がスタートを取り、犬伏選手が前受けをした場合には、後方から来る寺崎選手を突っ張りにかかりますが、この展開になったとしても、ゴール前ではスピードの絶対値が違う脇本選手、そしてレースセンスのいい松浦選手の争いとなるでしょう。

 印としては先行意欲の強い寺崎選手を前に置けることで、展開有利となりそうな脇本選手に◎を。〇は松浦選手で、▲は捲りに構えた時の一発がある犬伏選手として、どんな展開となっても車券圏内に入っていそうな、菅田選手を△とします。

 予想は脇本選手、松浦選手のどちらかが頭となる、両にらみで考えておきました。準決勝は落車のアクシデントもありましたが、この決勝で【競輪グランプリ】に出場する9名が決まります。選ばれた選手たちには怪我などが無く、最高のコンディションで年末を迎えてもらいたいです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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