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鈴木誠のハイブリッド展望

【泗水杯争奪戦予想】走り慣れたナイター開催! 今大会かかりのいい橋本と連係の浅井が5度目の地元記念制覇狙う/鈴木誠の展望

2022/11/13 (日) 15:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は四日市競輪場で開催されている泗水杯争奪戦の決勝レース展望です。

前受け?かまし先行? 9番車から何かやってきそうな小原にも注目!

【泗水杯争奪戦】が開催されている四日市競輪場は、全国でも珍しいナイター開催をメインとした競輪場です。

 この時期のナイター開催となれば、寒いイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、今大会は選手のコメントを見ても、『バンクが重い』といった言葉は聞かれてないように、夜になってもそれほど気温は下がっていないようです。

 また、四日市バンクは日が出ている時間だと風の影響があるのですが、それでも日が暮れてくると、その風も落ち着きいてきます。レースによってはかかった先行選手が、そのまま押し切ってしまうのも風が無くて、走りやすいバンク状況となっているからなのでしょう。

 こう説明すると先行選手が有利に見えますが、400バンクでみなし直線の距離も長く(62.4M)、基本的には捲りや追い込みが有利なバンクでもあります。

 二次予選の平原選手も、権利を取るために早めに仕掛けましたが、直線で交わされて結果は7着。決勝でも先行選手がそのまま行ってしまうのか、もしくは捲ってきた選手にチャンスが出てくるのか。いずれにせよ、一瞬の判断が勝敗を分けそうです。

 決勝の並びは橋本選手-浅井選手-坂口選手の中部ライン。古性選手-村田選手は近畿ラインで、小原選手-福田選手は神奈川ラインを形成。準決勝に続き、関東と東北の連係となったのが坂井選手-守澤選手で四分戦となっています。

 先ほども書いたように、展開によっては先行選手が押し切れるバンクコンディションだけに、誰が主導権を握るかですが、唯一の3車かつ、3日間通してバックを取っている橋本選手が、何が何でも行くと見ています。

 橋本のかかりの良さが証明されたのが、準決勝のレースでした。後ろに捲りを狙っている北津留選手がいたにもかかわらず、縦一本のレースを作り出したどころか、ライン3人での上位独占を決めました。

 スタートを取るのは1番車の古性選手で、橋本選手は浅井選手の車番的にも近畿の後ろの3番手を取れそうです。8番手となった小原選手が抑えに行くのを皮切りに、次は坂井選手も抑えにいくと思いますが、その上から橋本選手が一気にスパート。この展開となった時に捲りを狙う自力型の選手たちは、先行した中部ラインの後ろが欲しいポジションとなってきます。

 展開的には坂井選手が4番手に入れそうです。その後ろにいる守澤選手ですが、準決勝ではスタートけん制で脚を使った上に、道中は後ろの仕事もきっちりとこなしていました。

 しかも前を任せた、坂井選手が4コーナー勝負という、番手選手にはきつい展開となったにもかかわらず、3着まで届いたレースぶりは、好調さを感じさせます。

 ただ、同じS級S班の古性選手も黙ってはいません。横の動きが上手い選手だけに、橋本選手が先行した際に後方となっても、そこから踏み上げながら中段を取りに行くでしょうし、場合によっては内からしゃくっていきながら、4番手を狙っていくレースも考えられます。

 ただ、他の選手たちが4番手争いにこだわっているようだと、かかりきった橋本選手の後ろにいる浅井選手が展開的に有利となってきます。

 最近では番手からのレースも多くなった浅井選手ですが、まだまだ自力で行けるようなタテ脚はありますし、橋本選手のスピードに付いていきながら、ゴール前でしっかりと差し切ってくれることでしょう。3番手を固めた坂口選手とのワンツーフィニッシュが本線と言えそうです。

 ただ、何をやってくるか分からないという意味で注目したいのが、小原選手と言えます。基本的には追込選手ながらも、今回のように前を任された時には、先行も辞さないほどの男気もあります。

 スタートも早いので、ひょっとしたら前を取りに行くのかもしれません。また、橋本選手が仕掛けのタイミングをためらって、しかも、古性選手と坂井選手がその後ろのポジションにこだわっているようならば、不意を突いてのかまし先行もありえるのではないかと見ています。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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