2022/10/06 (木) 12:00 16
松阪競輪で「蒲生氏郷杯王座競輪(GIII)」が10月7〜10日に開催される。今年は例年以上にKEIRINグランプリの賞金争いが熾烈になっている。古性優作(31歳・大阪=100期)と脇本雄太(33歳・福井=94期)が、今年4回行われたGIを2個ずつを取るという状況。
上位陣の安定ぶりも変わらないため、“もしかしたら最後の1席は…”がある。大まかにはランキングの30位くらいが3千万円で15位くらいが4千万円。寛仁親王牌と競輪祭、特に競輪祭の準優勝で2千万円…がまだ残るので、“最後まで”の戦いになる。
大体、競輪祭に入る時に、「決勝に乗って、それで」という条件の選手が発生する。今でいえば、その候補はまだ多い。その中にいる選手にとっては、今もってチャンスでしかない。
もちろん、“GIを勝つ”という選択肢に賭ける選手も、可能性のある選手も、いくらでもいる。
今節、出走する中では佐藤慎太郎(45歳・福島=78期)が1億円手前の4位。当確といっていい。清水裕友(27歳・山口=105期)が6千万円超で8位。際どいというよりは優位な位置にいると表現できるが、本人は安心などしていないだろう。
昨年、大活躍。競輪祭でGI初制覇を成し遂げた吉田拓矢(27歳・茨城=107期)は4,500万円の手前で13位。KEIRINグランプリで先行して、成就はしなかったものの、その関東に対する思いを披歴した男。もう一歩進んで、競輪界を背負う男になれるかどうか、の1年に挑んでいる。
2月、地元取手の「全日本選抜競輪(GI)」、3月、近隣宇都宮の「ウィナーズカップ(GII)」に賭けた思いは散った。年頭の立川記念(鳳凰賞典レース/GIII)で平原康多(40歳・埼玉=87期)が脱落する中で優勝をつかみ、“そこ”にいるはずの男が苦しんできた。重圧が見える形で迫るのがS班の1年目。苦しんでいる。
今、一番の正念場を迎えている吉田が、いや“タクヤ”が今節どんな走りを見せるだろうか。どんな思いで走るだろうか。
それを最も楽しみにしているのは平原なのかもしれない。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。