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鈴木誠のハイブリッド展望

【火の国杯争奪戦予想】S級S班3人の争いとなりそうな決勝戦!好調深谷のスピードに乗った郡司がゴール前で抜け出してくる!/鈴木誠の展望

2022/10/04 (火) 12:00 6

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は久留米競輪場で開催されている火の国杯争奪戦の決勝レース展望です。

兄義弘の走りや生き様を誰よりも近くで見てきた、弟博幸の走りにも注目!

【火の国杯争奪戦】の前に、村上義弘選手が引退を発表しました。

 報道を目にした時には驚きましたが、度重なる怪我の影響が要因となった感があります。自分もまた、怪我で思うような練習ができなくなり、そして、レースでも充分なパフォーマンスが見せられないと思ったときに引退を決意しました。

 村上義弘選手は競輪が、そして自転車が大好きな選手でした。だからこそ万全では無い状態で自転車に乗りたくは無かったと思いますし、ファンの期待を裏切るようなレースを繰り返していると、大好きだった競輪が、大嫌いになってしまうと思ったのかもしれません。

 村上義弘選手は引退発表の際に競輪は、「自分の人生を救ってくれた」と書いていましたが、自分にとっても競輪は、「身体が動かなくなるまで、夢中になれたもの」だったと思い返しました。

 それだけにやりつくした感はありましたし、村上義弘選手も悔いを残すことなく、今後はセカンドキャリアの中で、大好きな競輪や自転車に向かい合ってもらいたいです。

【火の国杯争奪戦】の決勝には、弟の村上博幸選手が進んできました。本人も期するところはあったと思いますし、この決勝でも、松浦選手の後ろという好位置を得ています。

 4車となったのは北日本ライン。その並びは小松崎選手-守澤選手-佐々木選手-高橋選手となりました。南関東ラインは深谷選手-郡司選手。九州地区では唯一の決勝進出となった松岡選手は場所を決めずに単騎と、大まかに三分戦となりました。

 こうなると、先行しそうなのは後方からレースを進めていく北日本ラインとなるでしょう。ただ、郡司選手の車番的にスタートを取っているはずの南関東ラインが、すぐに巻き返していくに違いありません。

 そうはさせじと小松崎選手が早めに踏み出していくと、次は中団に構えていた松浦選手-村上博幸選手が捲りを狙ってきます。今大会は郡司選手、松浦選手ともにS級S班の動きが良く、この3日間では両者ともに早めの仕掛けも見せていました。

 結果的に後ろの選手に抜かれるレースはあれど、きっちりと決勝まで進んでくるあたりはさすがだと思います。もう1人、状態の良さが目立っているのが深谷選手です。3日間のレースを見ていても、一度引ききった後にはすかさず発進しています。

 この深谷選手の積極的な仕掛け、そしてスピードに乗っていきそうな郡司選手が本命と言えるでしょう。

 もう一人のS級S班である守澤選手は、松浦選手が捲ってくるよりも先に、小松崎選手の番手から出ていけるようだと勝機が出てきます。結果的にゴール前はS級S班の3人の争いとなっているのかもしれません。

 単騎の松岡選手は南関東ラインの後ろから様子をうかがってきそうです。先行ができるほどの脚力もある選手だけに、展開次第では一発も充分にありそうです。

 村上博幸選手も怪我から復帰してきた大会では、最もいいパフォーマンスを見せていると思います。記念大会では久しぶりの決勝進出でもあるだけに、松浦選手の後ろから、優勝に近づくような走りを見せてもらいたいです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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