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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

松浦悠士のオールスターの走りについて

2022/08/17 (水) 10:30 57

 オールスターを振り返ると、当たり前ですが、ワッキーの強さが際立つレースでした。その強さは、みんなが回顧しているので、僕は、松浦悠士選手の走りに、スポットを当てたいと思います。

 準決が終わり、取材ゾーンで、有能な記者達と決勝進出者が出てくるのを待っていました。僕の仕事は、二つあり、決勝の並び速報をネットに上げるのと、オフレコ含め、選手の核心をつく事です。まだ、汗がビッチョリの松浦選手が、最初に囲み取材に応じてくれました。

 松浦選手の良いところは、仲間の選手でも冷静に分析してくれ、対戦相手に対しても、包み隠さず、本音ベースで語ってくれる事です。普通なら掛かっていなくても、掛かっていたと言ったり、太田竜馬選手や清水裕友選手、町田太我選手に対しても、客観的に自分が思った事を、そのまま言葉にしてくれます。

 これは、囲み取材の公式コメントで、僕も記事にしましたが「寺崎浩平君も新山響平君も、同じナショナルチームのメンバーだけど、ダッシュ勝負になれば寺崎君が上。内、外あるけど、1番車に古性君がいる寺崎浩平君が間違いなく突っ張り切ってしまう。脇本雄太さんに、馬がいる事が、逆にマイナス要因と言う意見もあるけど、それはないと思うよ。自分は2番車だし、近畿の後ろにいて後は流れで。優勝は難しいと思うし、確定板に乗れれば(笑)。自力とか自力自在でなく、自在のコメントでお願いします」。

 ここにワッキーが登場して、松浦選手が、肩をぶつけて、2人は大笑い。この貴重なツーショットを写真に撮ったのですが、急な出来事で、写真はピンボケで掲載不能。どうあれ、自分の手の内を、明かしてくれるのが松浦選手の良さ。ただ、この時点で、内から番手を狙うイメージが出来ていたかもしれませんが、流石に、そこのコメントはありませんでした。

 寺崎選手のレース後のコメントで「北ラインを突っ張り切るには、内外線の中では無理だし、上に上がる必要があった」。これも松浦選手は計算尽くだったかもしれません。手品の種明かしで、簡単なマジックは全部教えてくれますが、イリュージョンと呼ばれる高度な技術になると、最後まで明かしてくれないのと一緒の気がしました。あとの松浦選手の番手捲りとかは流れの中での判断です。

 僕が面白いと思ったのは赤板での行動。「優勝は難しい」と言ったコメントは、あの走りを頭にインプットして、勝つには相当、脚が削られると言う気持ちがあったからでしょう。「調子が良い、悪い」、「自力と言ったのにイン粘り」。ファンからすれば、納得いかないかもしれませんが、コメントに縛りを掛けると、あいまいなコメントしかなくなります。「臨機応変」、「力を出し切る」、「やれる事を精一杯やる」。これらのコメントは、個人的には、ちょっと…と思っています。S班の選手は、みんな“言葉の力"があり、その中でも松浦選手はズバ抜けており、包み隠さないスタイルは、スーパーS班です。

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毒熱!闘う競輪記者マッチーが行く!

町田洋一

Machida Yoichi

基本は闘うフリーの記者。イー新聞総合プロデューサー、アオケイ・企画開発パブリストの肩書きも持つ。自称グルメでお酒をこよなく愛す。毒のある呟きをモットーにして、深夜の戯言も好評を得ている。50代独身で80代の母親と二人暮らし。実態はギャンブルにやられ、心がすさみ、やさぐれている哀しき中年男である。

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