2022/08/15 (月) 15:00 5
西武園競輪場で開催されている「オールスター競輪予想(GI)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は20時30分発走予定。
いつになったらこの暑さから解放されるのか? 炎天下でのレースはさしずめ、ぬるいサウナの中で走ってる感覚になる。汗はハンパねーほど滴り、びっしょりに…。
ナイター開催は多少、暑さから逃れられるのでありがたいが、6日間の長丁場で5走するサバイバル戦は体力勝負になるんだよ。しかもトップレーサーの激突だもの、気を抜くことができねー。チョッとしたミスが、取り返しのつかない結果になっちまう。
西武園は「逃げなきゃ負けよ」のバンクだが、長丁場で逃げ続けるモンスター級の体力がある選手は? やっぱりビッグモンスター脇本雄太かね。
初日から若手自力型がハッスル、ハッスル。オープニング1Rで嘉永泰斗が決め、4Rは菊池岳仁が人気の渡辺雄太を破り、5Rも寺崎浩平が! 圧巻は6R吉田有希の逃げ切り。
2日目も1Rで犬伏湧也が豪快に白星スタート。オリオン賞を制し、連勝の太田竜馬も絶好調だし、随所でヤングパワーが炸裂!
いよいよミラモンたちが覚醒しだしそうだが! サバイバル戦は上位戦にいけば行くほど壁が厚くなる。誰がこの壁を突破し、どれだけミラモンが残ってくるのか?
正念場を向かえた準決勝が、なんと台風で順延になった。ベテランは心身ともにリフレッシュできて恵みの一日となるはず。かたや若手はこの一日の過ごし方をどうするのか、おそらく戸惑いがあるのでは? 明暗を分ける大きな一日になる可能性も!
仕切り直しの準決勝を振り返る。
9Rでは太田竜馬が前受けになり、深谷知広が切り菊池岳仁が逃げる。太田が素早く巻き返すが不発に。太田マークの松浦悠士がまくりにいくが出が悪い。深谷がその外をまくりにいくが…。浮いてしまい、守澤太志が巧みなハンドル捌きで内を突き4角で大外へ持ち出し突き抜けた。あの展開で冷静な判断をできる守澤! 恐るべし!
10Rはビッグモンスター脇本雄太を郡司浩平が押さえ込み“脇本包囲網”を敷いたが、当の本人は意に介さずひとまくり! 2着は新山響平が入り決勝へ。
11Rは新田祐大が前受けから吉田拓矢を出させず寺崎浩平ラインを受けた。こうなれば番手の古性優作は負けられない。古性の後ろはもつれ地元平原康多がゴール寸前落車。大外伸びた荒井崇博だが失格となった。
決勝戦の並びから。⑥寺崎浩平-⑨脇本雄太-①古性優作、⑧新山響平-④小松崎大地-③守澤太志-⑦成田和也、②松浦悠士と⑤吉澤純平は単騎となっている(⇐⑥⑨①・⑧④③⑦・②・⑤)。
前受けが新山ラインなら中団は松浦、吉澤。後方から寺崎が一気に仕掛け脇本が番手発進で完全V。たとえ寺崎が不発になってもその上を行ってV。2着探しの様相になってしまう。その2着は古性が本線。逃げる新山の3番手から俊敏に切り替える守澤か、あっても松浦くらいかなぁ…。
妄想の出番は皆無なのか? 無いとは言えないが…。全開で新山が逃げ中団の松浦、吉澤が車間をあけたときだろう!
力的には新山と寺崎は互角だし、小松崎は全開で番手発進をするしかねーだろう! そういう時は余裕がない分タレるんだよ。そうなれば守澤-成田で突き抜けるって訳よ!
ビッグモンスター脇本はハンパねー強いから、この妄想は“妄想の妄想”って事になっちまうがね!
思うに、今までは600をフルでもがければ十分に勝負になっていたのだが、800くらいを踏める選手たちがぼちぼち出はじめてきた。今回のオールスター競輪が、今後の競輪を左右するターニングポイントになるのでは?
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。