2022/08/06 (土) 20:00 4
netkeirinをご覧のみなさんこんにちは、金子貴志です。待ちに待ったGI「第65回オールスター競輪」が9日から14日まで埼玉県の西武園競輪場で開催されます。投票してくれたファンの方々の期待に応えられるように全力で頑張ります。今回のコラムですが、私のコンディショニング・調整方法について書きたいと思います。
私は20代の頃はナショナルチームに入っていて、一心不乱に「五輪」を目指していました。五輪は4年周期なので調整も4年後を見据えたものになります。五輪開催日から逆算し、本番に向けて自分のピークを最高の状態に持っていけるかどうかが勝負のポイントでした。残念ながら五輪には出場できませんでしたが、ナショナルチームで経験したことは得るものが多く、その後の競輪にも大いに役立ちました。
競技と競輪の両立から競輪一本に絞ったトレーニングに移行するとき、ナショナルチームでの経験を生かしたいと考えました。そこで新しく「高地トレーニング」を取り入れることにして、長野県にある標高1900mの「しらびそ高原」で練習に取り組みました。
今でこそ科学的に証明されたトレーニング方法になっていますが、当時はまだ短距離選手の中では高地トレーニングを取り入れている人は少なく、データも乏しかったです。日々いろいろと模索しながらのトレーニングになりました。
基本的に高地トレーニングというのは長距離選手がヘモグロビンを増やす目的で行っていましたから短距離選手の私が高地でダッシュを繰り返すことは疑問視されていました。
しかし、私は必ず競輪にも生かせると信じて取り組み、自分のトレーニングとして確立していきました。成果はしっかりと表れ、競輪場でのトレーニングでは200mのタイムが1秒近く縮まり、10秒前半がコンスタントに出るようになっていきました。その直後、2005年の名古屋オールスターは決勝2着でしたが、タイトルに手が届くところまで戦える状態を作り出すことができました。
30代になると調整方法も変える必要が出てきたので、4年の調整スパンを1年に切り替えるようになりました。そして最近では1年ではなく、もっと短いスパンでコンディションを整えるようにしていて「次のレース」を見据えた調整方法にシフトしています。
若い頃よりも体そのものに意識を向けることも当然増えていますので、次の日に疲れを残さないためにも、トレーニング後のリカバリーはとても重要になります。自宅に帰ってからも気は抜けず、体のケアに徹しています。
レースを走るとき、特選スタートの開催はピークを決勝に持っていくような調整方法をしていましたが、最近では予選スタートが多いため、初日にピークを持っていくことを心がけています。
今年のオールスターも私は予選スタートです。きっちりと初日にピークを持っていけるように、納得いくまで調整し、結果を残せるように全力で戦いたいと思います。みなさんの声援が力になりますので、夏の大一番、応援のほどよろしくお願いいたします!
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金子貴志
Kaneko Takashi
愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。