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鈴木誠のハイブリッド展望

【函館競輪G3・五稜郭杯争奪戦予想】はるばる来たぜ函館! 選手も斡旋を楽しみにしている競輪場で、レース後に新鮮な海産物と美酒を味わう選手は誰だ?/鈴木誠の展望

2022/05/17 (火) 15:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は函館競輪場で開催されている五稜郭杯争奪戦の決勝レース展望です。

 観光都市としても知られる函館市。温泉地の湯の川地区ともほど近い場所にある、日本最北の競輪場が函館競輪場です。

 それもあってか遠征に来た選手は前泊だけでなく、後泊をする選手も多く、朝は函館朝市、夜は五稜郭でばったり会う選手もいました。

 しかも、函館競輪場は青森競輪場と同様に、宿舎で出てくる新鮮な魚だけでなく、北海道名物のジンギスカンも美味しいので、食事も楽しみでした。

 開催期間中には海産物を取り扱っている業者も競輪場へと訪ねてきてくれます。そこで取り扱っている、鮭やイクラなどを試食させてもらえただけでなく、自宅や知人にお土産として送っていました。自分のいた頃は勿論、今でも函館競輪場が選手の希望斡旋一位となっているのも頷けます。

 ただ、今回は5月のナイター開催であり、日中は過ごしやすい気候でも、夜になると一気に冷え込みます。選手の走りを見ていても、日が陰ってからだとバンクが重たく見えました。

 前半のレースは海風の影響もあるのか風も強いのですが、後半のレースになればなるほど、風も穏やかになる傾向もあるのが、ナイター開催時における函館バンクの特徴です。その時間に実力のある選手たちも出走してくることで、前半よりタイムも良くなっている傾向も見られました。

 決勝の並びですが、北日本ラインは小松崎選手-佐藤選手-守澤選手でまとまりました。一方、3日間共に北日本ラインとの連係を見せてきた郡司選手は単騎となっています。西日本ラインは佐々木選手-清水選手-瓜生選手、2車となった近畿ラインは山本選手-稲川選手の並びとなりました。

 初日の特選では、福島の3人(小松崎-山崎-佐藤)とは別線となる、郡司選手の後ろを選んだ守澤選手は、この決勝でも郡司選手に付けるという作戦もあったのかもしれません。

 それでも2日目の二次予選のように、同じレースに出走している時は、常に自力で頑張ってくれている小松崎選手に気を使ったのでしょう。また、守澤選手は【日本選手権競輪】で3着となり、賞金的にグランプリ出走も見えてきたことが、福島両者の後ろと言う選択肢になったとも言えます。

 守澤選手は今回も3連勝とすっかり復調気配にあります。今後も年末に向けて余裕を持ったレースもできるはずであり、今後のことも見据えて、3番手を選択したのでしょう。この辺りを見ても、北日本ラインはしっかりと団結しているなと思います。

 そうなると佐藤選手-守澤選手に任せられた小松崎選手は、俄然、やる気も出ているはずです。車番的にも前受けをするのは小松崎選手でしょう。その後ろには西日本ラインの3人、郡司選手、近畿ラインの2人で道中は流れていくと思います。

 最初に動き出すのは後方にいた山本選手かと思いますが、その上を佐々木選手が一気に先行。こうなると、佐々木選手のスピードに乗っていけるだけでなく、番手捲りも狙える清水選手が有利となります。

 もう一つの展開は、車番が悪いのを嫌った、山本選手が前受けをした場合です。その場合は小松崎選手が中団。その後ろにいた佐々木選手が山本選手を抑えにかかったところを、小松崎選手の先行となります。

 この展開だと北日本ラインが有利に見えますが、それでも佐々木選手は4番手。しかも佐藤選手は番手から出ていかない選手なので、西日本ラインをブロックしたとしても、タテ脚のある清水選手、瓜生選手が二段掛けをしながら。抜け出してくることは充分に可能だと思います。

 小松崎選手と佐々木選手がもがき合ったとしても、清水選手ならタイミングを見て捲っていけるでしょうが、この展開となった時に優勝が見えてきそうなのが郡司選手です。

 単騎ながらも、切れ目から捲ってこられる脚はありますし、タイムの良さにも証明されているように、調子の良さは間違いありません。その後ろにいそうな近畿ラインも、今大会の山本選手は捲りも出ているだけに、展開次第では一発も充分に考えられます。車券も様々な展開を想定しながら、予想を組み立てていきたいです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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