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トップトレーナーの”競輪愛”予想

【日本選手権競輪予想】主導権を握る眞杉の後ろで走る2人から、バックの向かい風にも注意

2022/05/07 (土) 19:15 30

競輪歴40年、競輪を愛してやまない矢作芳人調教師が競輪界のダービー「日本選手権競輪(GI)」を大予想! 昨年に続き3連単的中なるか!? 競馬の日本ダービー2勝、世界にも名を轟かせる名トレーナーが、競輪予想でもその真髄を披露します。

脇本が思い切った仕掛けが出来ない展開で浮上するのは…

 週末の東京出張の前に、少しだけいわき平に顔を出して来た。今回のダービーは44年ぶりの開催と話題になっていたが、自分が前にいわき平を訪れたのはまさにその44年前。高校の友達と連れ立って(もう時効だよね)新星・中野浩一を見に行ったのだった。

 場内で偶然その中野さんとお会いして立ち話「あの時俺は4,1,4,1着で準決勝で飛んだんだよな、随分野次られたよ」。まだデビュー4年目の遠い昔のことを鮮明に覚えていて驚かされた。自分はそのレースを見たおかげで、こんな濃い競輪オヤジになってしまったのだが…。場内はもちろん大きく変貌していて、素晴らしいスタンドになっている。デザインもお洒落で、おそらく国内の競輪場で1、2を争うほどだろう。思いの外、東京からも近く、ファンの皆さんには一度いわき平を訪れることを推奨したい。

 さて注目の決勝戦である。勝ち上がり過程を見ると、好調と言えるのは清水、眞杉、荒井、守澤あたりで、人気になると思われる脇本、古性、3連勝の平原でさえ決して好調とは思えない。

 そうなると鍵を握るのはやはり展開である。清水、脇本、眞杉、誰が主導権を奪うのか? 自分は眞杉だと思う。1年前のダービー決勝戦を思い出して欲しい。あの時眞杉は後ろに平原を背負いながら内に詰まって何も出来ず、清水-松浦ラインに翻弄された。ファンが覚えているのだから選手本人が忘れる訳はない。まして脇本は今回の状態で早めに行けば古性に差されるのは目に見えている、いつもほどの思い切った仕掛けは出来ない。

 昨年の思いも背負って眞杉が風を切る、本命は平原だ。ただ脇本が必ず仕掛けて来るだけに平原は自ら出なければならない。バックの向かい風が強ければ、対抗慎太郎の差し目も五分とみたい。押さえはワッキーが強すぎた時、相手は筋違いで平原、佐藤、荒井となる。

 ◎平原 ○佐藤 ×脇本 △守澤 注 荒井

 買い目は2=9→7を大本線に2=9→168で勝負、押さえは8→269→23679。連日強い風をしっかり見極めて大勝負したいと思う。

主導権を握るであろう眞杉の後ろで走る平原に期待する(撮影:島尻譲)

最終結論と買い目

◎②平原康多
〇⑨佐藤慎太郎
✕⑧脇本雄太
△⑦守澤太志
注⑥荒井崇博

3連単②=⑨→⑦、②=⑨→①⑥⑧、⑧→②⑥⑨→②③⑥⑦⑨

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矢作芳人

Yahagi Yoshito

東京都出身。栗東で開業するJRA調教師。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者数日本一の開成中学・高校に入学するも、大学には進学せず競馬界を志す。オーストラリアでの修業の後、JRA競馬学校厩務員課程に入学。厩務員、調教助手を経て、2004年に超難関の調教師試験に合格。翌年厩舎開業。これまで日本ダービー2勝(ディープブリランテ、コントレイル)、米ブリーダーズカップ2勝(ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌ)、優勝賞金13億6000万円のサウジカップ(パンサラッサ)など国内外のGlを多数勝利。2022年は59勝で通算5度目のリーディングトレーナーに輝いた。日本・世界を代表するトップトレーナーにして、年間365日のうち360日は車券を買うという、底知れぬ競輪愛の持ち主。

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