2025/10/13 (月) 06:45 22
KEIRINグランプリ二度制覇!“ヤマコウ”の愛称で知られる山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。
松阪競輪開設75周年記念蒲生氏郷杯王座競輪決勝メンバーが決まりました。今節はS級S班が4人参加し豪華な開幕となりました。福井共同通信社杯は決勝に乗ったものの動きがいいとは言えなかった古性優作(大阪)、青森記念は位置取り縦足に隙がなかった郡司浩平(神奈川)、地元青森記念から捲土重来を期する新山響平(青森)、奈良記念はカマして快勝した犬伏湧也(徳島)と、それぞれのテーマがありました。犬伏は2日目に急性胃腸炎で欠場。あとの3人は危なげなく決勝に進みました。
メンバー、ライン構成は以下の通りです。
①古性優作(大阪・100期)ー④園田匠(福岡・87期)
②浅井康太(三重・90期)
⑤郡司浩平(神奈川・99期)ー⑨武藤龍生(埼玉・98期)
⑧酒井雄多(福島・109期)ー⑦新山響平(青森・107期)ー⑥佐藤一伸(94期・福島)ー③渡部幸訓(福島・89期)
北日本が4車並び⑦新山が有利な決勝となりました。番手を回る展開をものにしたいところですが、単純に番手まくりできるかどうかは未知数です。①古性や⑤郡司に番手を奪われることもあるでしょう。
①古性は連日歯切れの悪いコメントをしていますが、番手を回った時の存在感は調子云々を超えた存在です。①古性が付くと、前を回る選手が面白いように逃げるのは、格上の存在感だけではなく、逃げたら自分も残してもらえるという安心感でしょう。彼は「前の選手に全て任して自分は付いていただけです」と塩の対応をしていますが、準決勝では、岸田剛(福井・121期)が逃げやすいように初手3番手を取りました。前を取っていたら、おそらく岸田ー古性にとって厳しい展開となったでしょう。そこまで考えて“あとは岸田が考えろよ”と任せます。結局岸田は末脚を欠いて4着に沈み決勝進出を逃しますが、古性の存在感にも助けられた連携でした。
その①古性は④園田とラインを組みます。中部近畿の間柄でおかしいと感じている方もいるでしょうが、100人いたら100人の価値観があり、どちらが正しいという問題ではないですね。別線になった以上、②浅井は地元優勝を目指して臆さず勝負することが大切です。
初手は前を志願した⑧酒井が突っ張ろうとするのでこう考えます。
S.⑧⑦⑥③ ①④ ② ⑤⑨
まず動くのが⑤郡司ですね。⑧酒井に突っ張られたら、⑤郡司は番手奪取も考えているでしょう。郡司にとって最悪の展開は中団を①古性と並走することです。何もせず引けば⑦新山の優勝ですね。早めに新山がスパートするなら動きがいい⑥佐藤が捕えることも考えます。
・7=6-3214
⑤郡司が番手を狙うとどうなるか考えましょう。
⑤⑨
H.⑧⑦⑥③ ①④ ②
←①④
B.⑧ ⑤⑨ ②
⑦⑥③
初日特選①古性は⑦新山の先行をまくれませんでした。番手を奪取した⑤郡司の上を行くのは困難だと思います。④園田もインに潜るタイプなので、外が伸びやすい状況が生まれます。穴目は②浅井で考えます。
・2-5194-5194
②浅井は2021年の松阪記念決勝も単騎で優勝しています。あの時も優勝できるとは思えないメンバーでした。今回も地元ファンの声援が浅井を後押しするかもしれません。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。