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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

【金子貴志のウラ話】打鐘もお客さんの声も聞こえる! 先頭誘導員でいつもと違う競輪が見えた

2022/03/31 (木) 18:00 7

 netkeirinをご覧の皆さんこんにちは、金子貴志です。すっかり暖かくなり、桜も咲き始め、春らしく過ごしやすくなってきました。これからキャンプをするにもいい季節になってきたので、楽しんでいきたいです。みなさんも外に出かけてみてはいかがでしょうか?

桜も1年に1度美しい花を咲かせるために雨風に耐えその時を待つ(写真:金子貴志instagramより)

 21日まで宇都宮競輪場で開催されていた「第6回ウィナーズカップ(GII)」で優勝したのは、山口県の清水裕友君。昨年の大会に続いての2連覇でした。清水君、優勝おめでとうございます。巡ってきたチャンスを掴めるということは、しっかりとした準備ができている証拠だと思います。私もチャンスが来たときのために、準備をしていきたいです。

先頭誘導員として名古屋記念「金鯱賞争奪戦」へ!

 さて、今回は先頭誘導員について書きたいと思います。3月初旬に開催された名古屋記念「金鯱賞争奪戦(GIII)」に、私は先頭誘導員として参加しました。先頭誘導員はレースを円滑に進めるために必要な役割を持ちます。

 参加選手と違って前検日に競輪場には入らず、レース当日に会場入りします。宿舎に泊まることもなく、普段は家から通います。今回は名古屋競輪場ということもあり、名古屋市内のホテルに宿泊しました。

先頭誘導員として参加した名古屋記念(撮影:島尻譲)

 レース当日の朝は参加選手の指定練習が終わった後、先頭誘導員の指定練習が始まります。レースでは細かくタイムが設定されているので、そのタイムを確認しながら初日だけは、先頭誘導員同士がレシーバーをつけて実戦形式で練習をします。

 参加選手との接触を避けるため、控え室は全く別ですし、食事は当日朝にいくつかあるメニューの中から選び、選手食堂から運んでもらいます。控え室ではレースを見たり、自分の出番が来るまでウォーミングアップをしたりしながら待機します。

選手の表情も打鐘の音も新鮮なものだった

 レースが始まる前、敢闘門から出てくる選手とすれ違います。その時の選手はとてもいい顔をしていて、違った角度から見ると緊張感や独特な雰囲気が伝わってきます。

 残り2周の赤板を過ぎてレースが動き出すと、先頭誘導員は内側に退避しますが、そのタイミングでもいつもとは違った目線で選手の顔を見ることができました。今回は選手一人一人の息づかいや駆け引きが見て取れたので、自分の視野も広がり、今後のレースにも活かせるものがあるな、と感じました。

 私は選手として参加している時、打鐘の音がほとんど聞こえません。それだけ集中しているということなんですが、先頭誘導員の時はよく聞こえます。この打鐘の音も新鮮でした。ファンの方が「YouTube見ているよ!」とか「レースも頑張ってください!」と声を掛けてくれたんですが、それがとても嬉しく、励みにもなっています。

打鐘の音が新鮮でお客さんの声もよく聞こえた(撮影:島尻譲)

 いくつかの競輪場では以前、ファンの方にバンク内で観戦してもらう取り組みを行っていましたが、最近はコロナの影響のためそういったファンサービスはないようです。また収束したらバンク内で見てもらい、競輪の迫力を間近で感じ取ってもらいたいです。バンク内外ではレース風景も変わり、いつもと違う臨場感が楽しめるかもしれません。

このままでは終われない! ダービーに向けて鍛え直す!

 5月3日からはGIダービーが福島県のいわき平競輪場で開催され、私も参加します。GIは昨年10月の寛仁親王牌以来です。今は一から基本に立ち返り筋肉を鍛え直しており、自転車で負荷をかけるトレーニングを中心に汗を流しています。

基本に戻り心身と向き合っている(撮影:島尻譲)

 最近は競走得点も下がり、なかなか結果を残せていませんが、到底このままでは終われません。ダービーに向けて全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします。

スピード競輪に対応するためのトレーニングを模索し、試行錯誤を繰り返す日々(撮影:島尻譲)

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金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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