2022/03/28 (月) 20:00 24
ようこそ【ASAI☆Lab】へ
目を通して頂けたら嬉しいです。
最近、公営ギャンブルの売り上げが少しずつ伸び始めています。業界の努力もありますが、競輪界は「民間ポータルサイト」のおかげで売り上げを伸ばせているように感じます。
例えば、芸能人を起用したCM制作、SNSを使った宣伝、そしてポイントによる還元など…様々な施策をやることで、競輪のイメージアップや競輪に触れる場所が増えたことがまずは大きなところなのかなと思います。
過去に売り上げが好調な時期がありましたが、それは娯楽の少ない時の話。売り上げのいい時に将来(今現在)のことを考えていたら…。退職金問題や競輪場の存続問題などは、出ていなかった可能性もあります。これまでは、それだけ何も考えずに、その場凌ぎでやってきたともいえるのではないでしょうか。
売り上げがいいのであれば、売り上げのある時に施設改修や今後の為になる何かを。 “先行投資…先行投資…先行…”をするべきです。私も含め、競輪に携わる全ての人で今やるべきことは何なのか、より深く考えましょう。
そして、選手会では役員選挙の時期に入っていきます。「競輪界の事」や「選手の為」を思い“意見”し“行動”してくれる人を各選手には選んでもらいたいものです。そろそろ組織票はやめていかないと、競輪界の未来は…。どうなることやら、と私は心配しています。
さて、それ以前に私には私自身のことがありますのでここらで話を切り替えましょう。
尊敬する人が引退し、解説者として私の取材に来た時の話です。
「浅井は近畿の番手にいくな」と、鬼の形相で言われました。過去には、京都の川村選手や稲垣選手の番手に付くこともありましたし、その頃から追い込みに変更していく時期なのか!? とも考えたことがあります。
しかし、尊敬する人からの助言はすぐに聞き入れ、もう一度自力でやっていこうと決心がつきました。
番組の構成上、脇本選手や寺崎選手など、先行タイプの選手と同じ時には中近畿ラインを形成する時もありましたが、同じタイプの自在選手なら番手はつかない。近畿の三番手には絶対いかない。と割り切りました。
この時に自力をやめ、追い込み選手に変わっていたら今の私はなかったでしょう。
“幸二さん”、ありがとうございました。
そして、幸二さんが引退してから息子の拳矢君がプロデビューをしました。
力があり、素質は抜群。あとは欠点と、どのようにしたらいいかを学べばさらに強くなるでしょう。幸二さん、優しい親ではなく厳しい先輩選手の意見で息子に教えてあげてください。僕はたくさんの助言で救われてきたからそう言えます。是非息子さんを強くしてあげてください。私はそこに便乗しますんで(笑)。これが浅井康太の…
上位戦では、中部地区のGI出場選手の少なさが目立っています。これでは頼れる自力もいない、ラインを組むための番手もいない、という状況が出てくると前々から感じていたと共に、幸二さんからの助言を守り自力でやってきましたが、それにも限界を感じていました。
そして、奈良記念をはじめ、全日本選抜競輪、そしてウィナーズカップと“近畿”の先行・自在選手の番手、3番手に付くという選択をしました。
もちろん連係実績はほとんどなく、信頼関係もなければ恩もない状態です。
近畿勢との信頼関係の構築が今後の私のやるべきことなのではないかと思っていますし、その為には確実に必要なのが脚力とテクニックだとも思っています。各自の仕事さえキッチリすれば、必ずワンツーが決まると信じて走ります。
先日弟子にこう伝えました。
「嫌いな選手が番手でも、キッチリ自分の走りと与えられた仕事をやりなさい」と。それが強くなるための一番の近道で、信頼が生まれるきっかけになってくるはずです。
競輪は私達の仕事です。
職場に嫌いな人がいても、やるべき仕事はキッチリやるのと同じで、自力なら自力のやるべきこと、番手なら番手のやるべきこと、そして3番手なら3番手のやるべきことをきちんと理解し、仕事(レース中)の時はしっかりと連係できるのが、勝てるラインなのではないでしょうか。
最近の中四国ラインのように。
拳矢を始めとする若い子達に先行するという気持ちが芽生えた時、中部地区が再び火を噴くことでしょう。そして、もちろんそこには便乗します(笑)。
最後に…。
上位(SS)の自力選手は勝ち上がりの段階での先行が安全策、それ以外の人は先行は負けパターンと考えていると思う。先行を武器にできたら気持ちに余裕ができ、レースの幅が広がるはずだ。
これって、ファンの皆様も車券の購入術に使えるのでは(笑)?
浅井康太
Asai Kota
1984年、三重県生まれ。日本競輪学校90期卒、ホームバンクは四日市競輪場。2005年7月松坂競輪場にてデビュー。第20回寛仁親王牌(GI)で特別競輪初優勝を決めた。その後もKEIRINグランプリを2度制するなど競輪界の中心選手として活躍、中部を牽引する存在としていまなお進化を続けている。キーワードは「KEEP LEFT」