2024/05/11(土) 21:23
遠鉄グリーンカップ
G1開場68周年記念ゴールデンレース(4日目)
【9R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(走路状況:良)
単独0mの1・和田健吾がスタートから逃げるが、10mから好スタートを切った6・小林瑞季が2番手、さらに7・佐藤励も1周回で3番手にまで上がり前を追う。小林は2周回3コーナーで和田をとらえ先頭。3周回2コーナーで佐藤も和田をかわして2番手に上がる。3番手には5・滝下隼平も上がってくるが、抜け出した小林が押し切り1着。2着も佐藤で川口勢のワンツーとなった。
1着/小林瑞季(川口32期)
競走タイム:3.402
競走車名:ホノルクイーン
ランク:S24
今節の成績:4着・2着・5着・1着
G1優勝:2回(22年川口:開設記念グランプリレース)
「抜群のスタートが切れました」と、10線から速攻を決めて優出一番乗りを果たした。序盤で抜け出した後も「タイヤを滑らせず、ペースを落とさずに」後続を振り切った。準決勝戦は試走から「エンジンも手応えもよかった」と好感触。あとは勝負タイヤが優勝戦も使えるかどうか。G1は過去2回制覇していて、ともに2枠から。今回も黒い勝負服で、勝負強さを発揮するか。
2着/佐藤励(川口35期)
競走タイム:3.405
競走車名:シロウWV・S
ランク:S15
今節の成績:3着・2着・6着・2着
G1優勝:1回(23年山陽:スピード王決定戦)
3日目の6着は「とんでもないドドドが来た」ことが影響。それは解消されたものの、準決勝戦は「かなり厳しかった」と振り返る。スタート自体は「練習の時に近い感じで本番も切れている」が、エンジンは「手応えがないです。手前はあるけど、先が伸びませんでした」。さらに優勝戦に向けてタイヤも探す。課題は山積だが、ここを勝てば「全場制覇できるので優勝したい」。鮮烈だった昨年山陽でのG1初優出・初優勝に続き、2回目のG1タイトル奪取へ「手を動かします」。
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【10R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(走路状況:良)
10mから7・鈴木宏和が好スタートから2番手につけると、0mから逃げる1・梅内幹雄を2周回に入るホームストレッチでかわして先頭。鈴木はそこから独走態勢に持ち込み、リードを広げて1着。6・伊藤信夫か2周回目に2番手に上がるが、序盤5番手から8・有吉辰也が追い上げると5周回3コーナーで伊藤をとらえて2着。伊藤が3着入線。
1着/鈴木宏和(浜松32期)
競走タイム:3.392
競走車名:ナアーモ
ランク:S4
今節の成績:1着・6着・4着・1着
G1優勝:0回
十八番のスタートダッシュから、一気に好展開に持ち込んだ。初日に続いて今節2勝目で、前節のSGオールスターからグレードレース連続優出を決めた。タイヤについては「今回の中では良かった」、エンジンについても「今日が一番良かったと思います」。もちろん目標は「グレードレース(のタイトル)が欲しい」。今期はS4までランクアップした鈴木宏が、優勝戦4枠から悲願達成なるか。「優勝戦もスタート決めて頑張りたい」。
2着/有吉辰也(飯塚25期)
競走タイム:3.399
競走車名:キックアス
ランク:S8
今節の成績:1着・2着・1着・2着
G1優勝:14回(21年川口:開設記念グランプリレース)
道中は「焦りました」と苦しい展開になるも、着実に捌いて優出圏内までしっかりと浮上してきた。ドドドも無く、「2着まで行けたのはエンジンのおかげですね」。これで4月山陽のプレミアムカップからグレード戦は4連続優出、今節もオール連対で、さらに13走連続で掲示板入りの安定感。G1は通算14回優勝しているが、浜松のみ未達成。「調子いい」というエンジンを活かして、3年ぶりのG1優勝をもくろむ。
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【11R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(走路状況:良)
スタートから0mの1・篠崎実が逃げ、2番手に10m最内の2・柴田健治が続くが、なかなか仕掛けるまでには至らず。7・中村雅人、8・金子大輔は中団で周回を重ねていく。篠崎が逃げる中、最終周回で5・平田雅崇が柴田のインに入り、さらに外からは中村、内から金子も逆転を狙う。後続の争いを尻目に、篠崎が押し切り1着ゴール。2着争いは平田と、外伸びた中村の写真判定となり、中村がわずかにゴール前で捕えて優出を決めた。金子は4着で優出を逃す結果に。
1着/篠崎実(川口9期)
競走タイム:3.432
競走車名:ゴッドブレス
ランク:A111
今節の成績:3着・3着・1着・1着
G1優勝:8回(04年川口:キューポラ杯)
準決勝戦はハンデが重化したものの、0線からスタートを決めて逃げ態勢に持ち込むと、巧みな走りで6周回を押し切った。本人も「まじかよ!? 後ろがいつ来るのかな?と思っていました」と振り返るほどで、ロッカーもスタンドのファンも大ベテランのプレーに沸いた。もちろん、75歳でのG1優出は最年長記録の大幅更新。「今日は行く前に(鈴木)圭一郎君に(エンジンは)間違いないと言われました(笑)」。18年ぶりのG1優出を決めたレジェンドレーサーは「優勝戦も行けるところまで行きますよ」と、衰え知らずの闘志で8周戦を戦う構えだ。
2着/中村雅人(川口28期)
競走タイム:3.421
競走車名:Kモンソン
ランク:S6
今節の成績:4着・6着・2着・2着
G1優勝:9回(19年山陽:プレミアムカップ)
展開を見極めた攻めで、ゴール前の接戦を制した。「エンジンが中には入り込めなかったし、グリップもしていたので」とアウトコースを選択。最終回は3車による2着争いとなったが、外から伸びて写真判定の末に優出切符を手にした。エンジンも「(優勝戦に)乗れているからいい」と評価。ゴールデンレースは2012年から4連覇した好実績を残す大会でもあり、的確な攻めで、5年ぶりのG1優勝を決められるか。
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【12R=準決勝戦】
*6周回 3,100m(走路状況:良)
スタートは0mの内から1・小林悠樹が決めてレースを作っていく。10mからは7・荒尾聡が抜群の飛び出しで3番手、8・鈴木圭一郎も4番手に付ける。2周回目に荒尾が押田和也をかわして2番手に上がると、鈴木もつれて3番手に。さらに鈴木は荒尾のインに入り、3周回目に2番手に上がると、4周回1コーナーで逃げる小林をとらえて先頭に立つ。6・若井友和もポジションを上げて4番手からチャンスを狙う。抜け出した鈴木は、そのまま1着ゴール。準決勝戦は32期が3人目の1着フィニッシュ。2番手で小林も粘るが、最終コーナーで荒尾がとらえて2着。荒尾に続いた若井も小林をとらえて3着に入線した。
1着/鈴木圭一郎(浜松32期)
競走タイム:3.370
競走車名:カルマS5K
ランク:S2
今節の成績:1着・1着・1着・1着
G1優勝:18回(24年山陽:令和グランドCC)
準決勝戦も4周回目に先頭に立つ盤石のレースで、ただひとり初日から4連勝で完全優勝&大会連覇に王手をかけた。「エンジンもタイヤもすごく良かったです」と、勢いは止まらない。4日目は「一番滑る走路だった」ものの、タイヤを使わないように走り、競走タイム3.370はもちろん4日目の抜けた一番時計。優勝戦に向けては「もう少しエンジンに重みが欲しい」と、さらに上を目指す。スタート巧者や実力者がそろった優勝戦も、8枠から圧巻のレースを披露するか。
2着/荒尾聡(飯塚27期)
※チャリレンジャー(スポンサード選手)
競走タイム:3.392
競走車名:デフジャムAK
ランク:S10
今節の成績:1着・4着・1着・2着
G1優勝:12回(23年山陽:プレミアムカップ)
最終周回で前を行く小林悠樹をとらえて2着、最後の優出切符を手にした。試走自体の「感じは良かった」と4日間で最も良い3.31をマークしたが、「跳ねがひどい」ため、スタートや試走の感じを「活かせていないです」。まずは優勝戦までに、「タイヤなのかフレームなのか」跳ね対策を考えていく。浜松はSGとG2は優勝しているものの、G1優勝のみ未達成。優勝戦は3枠の好位置も活かして、通算13回目のG1優勝&全場G1制覇を狙う。
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【最終日・12R=優勝戦】
*8周回4,100m
1/篠崎実(川口9期)0m
2/小林瑞季(川口32期)10m
3/荒尾聡(飯塚27期)10m
4/鈴木宏和(浜松32期)10m
5/中村雅人(川口28期)10m
6/佐藤励(川口35期)10m
7/有吉辰也(飯塚25期)10m
8/鈴木圭一郎(浜松32期)10m
※右数字はハンデ
優勝戦は篠崎実が単独0mハンデで、10mに最内の小林瑞季、大外に鈴木圭一郎まで7車が並ぶ0‐10mのハンデ戦の構成となった。
今回もシリーズをけん引するのは鈴木圭一郎で、勝ち上がりも圧倒的な走りで4連勝。前節のSGオールスターは優勝戦4着に終わり連勝もストップ(18連勝)したが、また連勝街道を突き進み、地元G1で完全優勝&大会連覇を成し遂げるか。
メンバー中、ただひとりグレードレース優勝がないのは鈴木宏。4枠から好スタートを切って、悲願の初タイトル奪取への期待も高まる。また、75歳でG1優出を果たした篠崎実の走りも必見だろう。
天気は前日の段階では曇りのち雨で、雨は夜から降る見込み。日中は4日目と同じくらいの気温となりそうで、走路コンディションは要チェックだろう。楽しみなメンバー構成での優勝戦は、最終日の第12レース、16時50分に発走予定。
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【75歳でG1優出!篠崎実選手にインタビュー】
-まずは準決勝戦を振り返って、エンジン状態はいかがでしたか?
「エンジンは前検日に(鈴木)圭一郎君にも手伝ってもらって、段々と良くなってきた感じがするね。今日も(競走に)行く前に『エンジン良いんじゃないですか』と言われたけど、じゃあどこが悪いのかってなったら、ここ(自分の腕を叩いて)しかないじゃんってね(笑)」
-3日目から連勝となりました。
「そう! 自分もこんなメンバーだったら、勝てるわけないわけよ。だから、逆に気は楽だったわけ。スタートをうまく切っても、1人ずつ抜かれていくのかと思っていたからね。でも、今日は試走の感じから良かった。昨日は3枠で38で、今日は苦手な1枠だったのに、試走が36が出たので、『あれ? これはいいのかな?』と思っちゃったよ。何もしてないけど、タイヤが2レース目だったから、それも良かったのかな」
-準決勝戦は逃げる展開でしたが、道中は?
「ずっと、『来ないな? 来ないな?』と思ってましたよ。川口だったら画面があるから後ろが分かるけど、浜松は後ろが分からないからね。試走は36だったけど、後ろの人は試走が31とかだったから、来ると思うじゃない。それが来ないから、途中からは『まだかな?』と思っていたけど、あと2周でも来ないから、やる気になっちゃおうと思って、気合いが入ったよね」
-見事な逃げ切りでの勝利でした!
「そう、ここ2年くらい前から『あんなコースではこれから通用しない』と、今またコースの勉強をしたんだよ。まだまだ皆からすると小さいコースなんだけど、自分なりに大きく走っているんだよ。その走りにしたのも良かったね」
-そして、久しぶりのG1優勝戦進出となりました。
「18年ぶりだからね。ただ、記録は気にしてない。とにかく自分は1走、1走を目一杯、走るだけ。それしかないよ。変なことは考えないで、一生懸命に走る。それにお客さんは大事なお金を賭けてくれるんだもん。いい加減な気持ちではなく、それに応えられるように走るだけだよ」
-18年ぶりのG1優勝戦。最後に意気込みを。
「エンジンが良くても、後ろからはどんどん来るからね。でも、自分なりに一生懸命に走るよ。もう、それだけ。だって、もう75歳だからさ(笑)。今日だって、本当は無理だから。たまたまこういうことが起きちゃったけどね(笑)。今日もスタートが決まったけど、明日もスタートを切って、どこまで行けるか。とにかく8周を一生懸命に走るだけだね」
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【過去の浜松オート・グレード戦レポート】
24年1月G1日スピード王決定戦
優勝:鈴木圭一郎
23年11月SG日本選手権オートレース
優勝:青山周平
23年10月チャリロト杯G2浜松記念曳馬野賞
優勝:鈴木圭一郎
23年9月特別G1プレミアムカップ
優勝:青山周平
23年5月G1ゴールデンレース
優勝:鈴木圭一郎
23年2月SG全日本選抜オートレース
優勝:鈴木圭一郎
22年11月チャリロト杯G2オートレースメモリアル
優勝:加賀谷建明
22年10月G1第64回スピード王決定戦
優勝:佐藤貴也
22年9月特別G1プレミアムカップ
優勝:青山周平
22年5月G1開場66周年記念ゴールデンレース
優勝:木村武之
22年2月G1第63回スピード王決定戦
優勝:丹村飛竜
21年10月G2ウィナーズカップ
優勝:中村雅人
21年5月G1開場65周年記念ゴールデンレース
優勝:佐藤貴也
21年2月SG全日本選抜オートレース
優勝:荒尾聡(P-Navi編集部)