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鈴木誠のハイブリッド展望

【ウィナーズカップ予想】連日共に上がり最速タイムを記録する桁違いのスピード! 大本命の脇本に対抗するのは、好調な太田-松浦で並んだ中四国ライン!/鈴木誠の展望

2022/03/21 (月) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は宇都宮競輪場で開催されているウィナーズカップの決勝レース展望です。

決勝当日が誕生日の脇本と、決勝で300勝にリーチがかかった松浦の節目対決!

【ウィナーズカップ】の決勝を走る9名の中でも注目となるのは、初日からの3連勝でこの舞台に臨んできた脇本選手と言えるでしょう。

 本人は状態的にはそれほどでもないといったコメントを残していますが、それでも2日目の二次予選、3日目の準決勝ともに、上がりタイムが13秒3を記録しています。

 これは、オリンピックの頃のコンディションと比較してのコメントとは思いますが、それでも2日間共に一番時計と、タイム的には申し分ありません。明日は33歳の誕生日ですし、その記念日を優勝で飾りたいと思っているのではないのでしょうか。

 同じように調子がいいのが、こちらも初日からの3連勝で、300勝にリーチをかけた松浦選手です。こちらは速さではなく、強さに加えて安定感溢れるレースを見せています。松浦選手も300勝と言う節目を、優勝で飾りたいはずです。

 その松浦選手と決勝でラインを形成する太田選手も、今大会は調子の良さが目立っています。2日目の二次予選の上がりも13秒4でしたし、宇都宮競輪場のような高速バンクかつ、4コーナーから直線が長いバンクの形状も、太田選手の脚質に合っているのでしょう。

 決勝の並びですが、中四国ラインは太田選手-松浦選手-清水選手での並びとなりました。同じく3車となったのが脇本選手-古性選手-浅井選手で、こちらは準決勝と同じ並びとなります。また、深谷選手の後ろは成田選手で、神山選手は単騎となっています。

 展開ですが、前受けをするというか、古性選手の車番的にも前受けをさせられそうなのが脇本選手です。4番手以降が深谷選手-成田選手、そして単騎の神山選手で、7番手の太田選手が脇本選手を抑えに行ったときに、深谷選手が先行体制に入ると見ています。

 太田選手は準決勝こそ先行しましたが、本来は捲りでこそ能力を出し切れる選手です。もし、脇本選手より先に捲りが決まるようだと、そのまま中四国ラインで上位を独占する可能性もあると思います。

 それでも上がりタイムにも証明されているように、スピード能力という物差しでは太田選手よりも、脇本選手の方が上です。

 準決勝は前受けをした吉田(拓)選手との車間を切っていた新山選手が、ホームから一気に先行。7番手となった脇本選手にとっては、厳しい展開となりました。

 それにもかかわらず、脇本選手はバック過ぎから一気に加速すると、そのまま3車で出切って、ラインでの上位決着を決めています。まさに、スピードの違いとしか言いようがありませんし、そのスピードに付いていった古性選手、そして浅井選手もさすがといったところです。

 順当ならば、大本命となるのは脇本選手だと思います。それに対抗できるのが、好調な太田選手と松浦選手となりそうです。

 特に太田選手は【ウィナーズカップ】を優勝すれば、特別競輪を初優勝。中団から先捲りができたのならば、番手を回る松浦選手と言えども、差すのは難しいのではとも思えますし、太田選手もまた、【ウィナーズカップ】の勝利が1つの節目となるのかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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