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鈴木誠のハイブリッド展望

【BNR大阪・関西万博協賛予想】決勝は野口の先行一車! 番手の仕事をした簗田が、長い直線でタテの脚を伸ばして2度目のGIII制覇を決める! /鈴木誠の展望

2025/06/15 (日) 15:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は四日市競輪場で開催されている「BNR大阪・関西万博協賛」の決勝レース展望です。

今大会好調の野口は、バンクコンディションの悪化もパワーで押し切る!

 デイ開催の富山競輪場と共に、大阪・関西万博協賛のリレー開催となっているのが、ナイターで行われている、四日市競輪場の【BNR大阪・関西万博協賛競輪】です。

 SS班の8名は17日から行われる【高松宮記念杯競輪】へ出場しているだけに、メンバーも手薄。富山の開催もそうですが、どの選手が勝ってもおかしくない混戦となりました。

 その中でも注目していたのが、昨年の【ヤンググランプリ2024】の覇者である纐纈選手です。

 初日の特選では6番手からの捲りで2着、二次予選では8番手から捲っていって1着と、持ち味であるダッシュ力と、コース取りの上手さを生かしたレースをしていました。

 ただ、準決勝では後方からの捲りを鈴木選手に併せられただけでなく、先行した佐藤(博)選手も突っ張りにかかります。結果は捲り切れずに6着敗退となりました。

 纐纈選手には苦しい展開となったとは言えども、あの展開でも捲り切れるだけのタテ脚が無いと、今後の記念競輪でも苦戦しそうです。

 これも7車の競輪ならば仕掛けのタイミングや、そこからのダッシュで捲り切れたはずです。ただ、9車の競輪で勝つためには、自身のコンディションやバンクの特徴だけでなく、相手と自分の力の差…といった、レース前の分析も必要となってきます。

 纐纈選手が高いポテンシャルを持っているのは間違いありません。それだけに9車の競輪で勝つためには何をすべきかを、日々の練習だけでなく、フレームや身体の使い方が自分にあっているのかなど、まだ競輪を突き詰めていけば、いつかは特別競輪でも活躍できる選手になれると思っています。

 準決勝で纐纈選手の番手から自力に切り替えて勝利をあげた①谷口選手は、決勝では⑧上田選手と共に地元ラインを形成しています。

 他の決勝メンバーは⑥野口選手-⑤簗田選手-③東選手の南関東ライン、⑨中井選手-④古賀選手の近畿ラインとなり、②河村選手と⑦渡部選手は単騎となりました。

 実質、野口選手の先行一車と言える並びとなりました。その野口選手ですが、準決勝ではジャン前から果敢に仕掛けて、そのまま押し切ったレース内容だけでなく、その後のインタビューでも、「最近の中では一番の出来だと思う」と話していたように、状態面も申し分ありません。

 決勝も中団からレースを進められそうなだけでなく、少々の雨や風でもスピードが落ちない、パワーも持ち合わせています。決勝でも早いタイミングで主導権を握っていけたのならば、準決勝の再現は可能とも言えます。

 その番手を回る簗田選手は横の動きが強いだけでなく、タテにも踏んでいける脚もあります。3番手を固める東選手も仕事ができる選手だけに、野口選手がすんなりと先行していけるようだと、ライン3人での決着も充分に考えられます。

 地元の谷口選手は、上田選手と共に見せ場を作りたいところですが、先行したとしても、野口選手が相手では、さすがに分が悪いでしょう。また、中井選手も最近は先行を出していないだけに、ここでは捲りを狙ってくるはずです。

 そうなると、南関東ラインの後ろに誰が入っているかが鍵となります。もし、タテ脚のある中井選手が4番手に入っていたのならば、長い直線から突き抜けてくる形で、簗田選手とのゴール前勝負に持ち込めると見ています。

 印としては◎⑤簗田選手、〇⑥野口選手、△⑨中井選手、×①谷口選手に打ちます。3日目も大荒れの四日市バンクとなりましたが、4日目の決勝でも穴を出すとするのなら、地元ラインの2人でしょう。

 野口選手の先行に、中井選手が絡んでいくようだと、谷口選手にとっては絶好の捲り頃となります。単騎の2人(河村選手、渡部選手)は展開的に厳しいとは思いますが、準決勝は筋違いの結果で高配当ともなっただけに、この決勝でも3連単の3着候補として入れておくべきでしょう。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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