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鈴木誠のハイブリッド展望

【高松宮記念杯競輪予想】東西の精鋭9名が揃った決勝戦! 寺崎の番手から抜け出した脇本に続く、地元の古性が、ゴール前で熱戦を繰り広げる! /鈴木誠の展望

2025/06/22 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は岸和田競輪場で開催されている「高松宮記念杯競輪」の決勝レース展望です。

ナショナルチーム仕込みのスピードで、先捲りを狙う太田の一発にも期待!

【高松宮記念杯競輪】の開催に併せて、17日から19日まで行われていたのが、ガールズケイリンのGIである【パールカップ】です。

 優勝したのは【オールガールズクラシック】に続く、GI連覇を果たした佐藤水菜選手でした。初日の予選から3連勝を果たしたそのレース内容はさることながら、驚くべきはその上がりタイムです。

 準決勝では捲っていきながら、上がりタイムで11.3を記録。このタイムは【高松宮記念杯競輪】に出場している、男子選手たちとも遜色ありません。

 ナショナルチームにも在籍しながら、国際大会でも優秀な成績を残している佐藤選手だけに、その走りは世界レベルとも言えます。

 8月の【女子オールスター競輪】に優勝すれば、女子選手として初めてとなるグランプリスラムを達成しますが、今大会での走りを見る限り、その可能性はかなり高いでしょう。

 そのパールカップの翌日となる20日、佐藤選手とは同期(114期)であり、パールカップにも出場していた日野未来選手の引退発表がありました。

 21日にも本人とも話す機会がありましたが、昨年から引退を考えていたようです。ただ、昨年のオールスターのファン投票では2位となるなど、応援をしてくれているファンの方の期待に応えたいとの思いで、ここまで走り続けてきたのだと思います。

 現役引退後は競輪だけでなく、公営競技に関わる仕事をしていきたいとのことでしたが、タレントからガールズケイリン選手へと転身し、見事な活躍を見せた日野選手なら、「第三の人生」でも必ず成功してくれると思います。

【パールカップ】との相乗効果もあったのか、【高松宮記念杯競輪】も連日に渡って熱戦が繰り広げられています。特に2着権利(3着1名)の準決勝は、東西4つのレースの全てで見ごたえがありました。

 その中でも、1次予選から無傷の4連勝と、スピードの違いを見せていたのが脇本選手です。その脇本選手に交わされはしたものの、先行して2着に残った太田選手。そして、準決勝では残り1周を逃げ切った、深谷選手も状態が良さそうです。

 決勝の並びは⑨寺崎選手-⑦脇本選手-①古性選手の近畿ライン、②深谷選手-⑤郡司選手-⑧松谷選手の南関東ライン、④太田選手-③清水選手の中国ラインと3分戦で、準決勝を勝利した⑥末木選手は単騎戦となります。

 この3つのラインで、人気を集めているのが近畿ラインです。脇本選手-古性選手の近畿ゴールデンコンビを牽引するのは、連日に渡ってバックを取り続けている寺崎選手です。1番車が古性選手だけに、前受けが濃厚となった位置取りで、どんなレースをしてくるか注目されます。

 車番通りの並びなら、近畿ラインの後ろは南関東ライン(深谷選手-郡司選手-松谷選手)となります。後方となった太田選手は清水選手と共に抑えにかかりますが、ここで寺崎選手は突っ張ることはせず、後方まで下がると見ています。

 その時に一気に先行態勢へと入るのが深谷選手です。ただ、寺崎選手も早めに巻き返してくるはずであり、そのスピードを受けた脇本選手が番手捲りをして、古性選手とのゴール前勝負に持ち込むのが車券の本線となりそうです。

 ただ、深谷選手が先行態勢へと入った時、寺崎選手の仕掛けよりも早く、太田選手が動き出して、4番手を取る展開となるようだと、一波乱あるかもしれません。

 太田選手もまた、佐藤(水菜)選手と同じく、ナショナルチームに在籍しており、5月に行われた【2025ジャパントラックカップ I】では、スプリントとケイリンの双方の競技で優勝しています。

 スピードでは脇本選手とも引けを取っていないだけに、4番手からの先捲りが決まるようだと高配当も期待できます。その時に抑えておきたいのが、深谷選手の番手から抜け出しを図ってきそうな郡司選手です。

 印としては◎⑦脇本選手、◯①古性選手、△⑤郡司選手、×④太田選手に打ちます。連日好天が続いている岸和田競輪場ですが、すり鉢状で熱の逃げないバンク内は、更に暑さを増していきます。

 ただ、走っている感覚としては空気がとても軽くなるだけに、スピードのある選手たちにとっては、願っても無い舞台ともなります。選手にとっては暑さ対策が大変になりますが、バンク内の熱気を、ファンに届けるような走りを見せてもらいたいです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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