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鈴木誠のハイブリッド展望

【金鯱賞争奪戦予想】格ではSS班の松浦ながら、それを調子の良さで上回るのは眞杉! 北日本の2人を従えて、記念初制覇を目指す!/鈴木誠の展望

2022/03/06 (日) 12:00 6

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は名古屋競輪場で開催されている金鯱賞争奪戦の決勝レース展望です。

決勝メンバーでは唯一の50代! ベテラン内藤のコース取りにも注目!

【金鯱賞争奪戦】はSS班の清水選手と、【全日本選抜競輪】で好調だった嘉永選手が敗退。二次予選では浅井選手が失格と、注目していた選手たちが決勝に進めなかったのは残念です。

 その中でも、きっちりと結果を残してきた松浦選手はさすがだなと思います。準決勝でも後方6番手から、中団から発進していった隅田選手の、更にその上を捲っていっての勝利。脚力の違いだけでなく、状態がいいのも明らかです。

 ただ、その松浦選手よりも、更に抜群の出来だと思えたのは、準決勝では残り1週半から先行して、清水選手といった自力型の捲りを封じきった眞杉選手です。

 決勝の並びですが、眞杉選手の後ろは準決勝と同じように北日本ラインの阿部選手-伏見選手。もう一人の北日本ラインである内藤選手ですが、準決勝で南関東ラインの3番手を固めた、渡邉選手の後ろを選択しました。松浦選手-小川選手も準決勝と同じ並びで、東口選手、高橋選手は単騎となりました。

 この並びとなると、眞杉選手に対抗できそうな先行選手は見当たらないというのが、率直な感想です。対抗できそうなのは松浦選手ぐらいでしょうが、それでもホーム、もしくはバック過ぎからの仕掛けとなるでしょう。

 そうなると眞杉選手は、より自分のペースで先行できることにもなります。しかも名古屋競輪場は高速バンクであり、眞杉選手に11秒台前半の上がりタイムを使われると、後方に置かれた選手たちは、10秒台の上がりを使わなければ捲り切れません。

 しかも、番手の阿部選手は横に動けますし、3番手を固めるのはベテランの伏見選手。決勝では唯一の3車である上に、ラインの役割もしっかりとしているのも心強い限りです。

 前受けをするのは車番的にも松浦選手-小川選手。目標の無い東口選手は、2人の後ろ辺りからレースを進めていくのではないのでしょうか。その後は車番的に渡邉選手-内藤選手で、眞杉選手-阿部選手-伏見選手はその後ろ。目標の無い高橋選手は最後方からとなりそうです。

 他のラインだけでなく、単騎の選手たちも、眞杉選手が先行するのは分かっているはずです。眞杉選手の動きに反応しそうなのは、準決勝でイン切りを見せた渡邉選手であり、眞杉選手が上がってくるのを抑える形で、4番手か5番手をキープしてくるはずです。

 ただ、ここで渡邉選手が脚を使ってしまうと、前半は流して走っていける眞杉選手を捲りきるのは難しくなります。しかも、後ろを渡邉選手と松浦選手が取り合うようなら、より眞杉選手は有利となります。この展開となれば、決勝でも準決勝のようなラインでの決着も考えられそうです。

 松浦選手なら眞杉選手の後ろにこだわらなくとも、自分のレースができるはずです。それでも、スピードに乗った眞杉選手を捲りきるのは難しいでしょう。後ろを走る小川選手も調子がいいだけに、2着、3着候補として車券で狙ってみたくなります。

 そして、この決勝には車券にも絡んでくれそうな伏見選手に加えて、67期生で51歳の内藤選手とベテランの活躍が目立っています。

 これは、4コーナーからの見なし直線が長い、名古屋バンクの特徴を掴んだコース取りの上手さであり、特に内藤選手は準決勝で車体の接触がありながらも、外に進路を取った走りはさすがだなと見ていました。

 この決勝で眞杉選手-北日本ラインの4番手を選ばなかったのも、この位置ではチャンスが無いと思ったのでしょう。最後の直線で混戦となった時、内藤選手のコース取りにも注目してください。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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