閉じる
鈴木誠のハイブリッド展望

【全日本選抜競輪予想】決勝メンバーはSS班4人を含めた、歴戦の猛者たち! その中で唯一の20代である太田のスピードを受けて、松浦が今年初のG1タイトルを掴み取る!/鈴木誠の展望

2022/02/23 (水) 12:00 2

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は取手競輪場で開催されている全日本選抜競輪の決勝レース展望です。

単騎を選択した平原は、中四国ラインの後ろから一発を狙う!

 4日間開催で行われている【全日本選抜競輪】は、連日バンクコンディションが違っており、特に強い風が吹いていた二日目は寒さもあってか、風速表示以上に重いバンクとなっていました。

 先行選手だけでなく、追い込み選手もきつかったと思いますが、その中でも溌溂としたレースを見せていたのが、若手で機動力型の選手たちです。

 風の無かった今日は、その機動力を更に生かせるようなレースを見せてくれるのではと期待をしていましたが、決勝に進んできたメンバーを見ると、バンクコンディションもお構いないどころか、駆け引きにも秀でているベテラン選手たちが、実力通りに勝ち上がってきました。

 決勝メンバーの9名ですが、唯一の3車となった北日本ラインが、新田選手-佐藤選手-成田選手。準決勝と同様の並びとなったのが古性選手-浅井選手と、中四国ラインの太田選手-松浦選手。決勝メンバーが決まった時は二人で並ぶのではと思っていた深谷選手と平原選手ですが、互いに単騎となっています。

 準決勝の後、深谷選手から平原選手に対して、後ろを走ってもらえないかとの申し出があったようです。ただ、平原選手は単騎でも捲れる脚がありますし、自分で上手く立ち回った方が、優勝を目指せるという公算があったのでしょう。

 一方の深谷選手ですが、さすがに1車での先行は難しそうです。他の自力型も捲りを得意としていますが、その中で先行してくるのは太田選手だと見ています。

 その太田選手ですが、この決勝メンバーの中でも調子の良さが目立っています。二次予選では7番手からいい捲りを放っての優勝。

 準決勝では8番手からのレースとなりましたが、道中はどっしりと構えると、隊列が短くなったのを見て一気に発進。度胸のあるレースをするなと思っていましたが、郡司選手を捲り切ったところか、松浦選手に交わされずにゴールしました。

 前受けをするのは3車の北日本ラインとなりそうです。その後ろは車番的に古性選手-浅井選手。6番手、7番手には単騎の2人が入っていると思います。

 その後方からレースを進めていく太田選手が、北日本ラインを押さえにかかった時、単騎の二人のうち、平原選手は松浦選手の後ろに付けているはず。その後ろが古性選手-浅井選手で、深谷選手は2人の後ろから踏み出すタイミングを図っていきそうです。

 一度、7番手まで車を下げそうな北日本ラインは、後方から捲り一発を狙っていくのでしょうが、太田選手がスピードに乗って先行、そして松浦選手が番手捲りをしてしまうようだと、さすがの新田選手でも捲り切るのは困難となります。

 松浦選手は準決勝こそ太田選手を交わせませんでしたが、決勝ではさすがに自分が勝てるタイミングで踏み出していくはずです。

 ただ、松浦選手が番手捲りをしていったときに、勝機が生まれてくるのが平原選手です。準決勝で新田選手の番手に飛びついたあたりは、レース感が冴えている証ですし、ゴール前で松浦選手を交わす可能性も充分にあると言えるでしょう。

 一方、太田選手が先行を躊躇するのを見た、深谷選手がかましていった時、もしくは古性選手が中四国ラインの先行に合わせて、先捲りをするなどして隊列が短くなるようだと、北日本ラインにチャンスが出てきます。

 本命は松浦選手ですが、どの選手も実力者かつ、互いの走りも熟知しているだけに、道中の駆け引きにも注目してください。

 最後に昨年のグランプリ覇者となった古性選手ですが、1番車の重圧もあったのか、前受けの意識が強いようにも見受けられました。

 しかしながら準決勝では、スタートの位置取りからレースを組み立てて行き、最後は強引と言えるような捲りで見事に1着。ここもグランプリのように自分のレースに徹して、優勝を勝ち取ってもらいたいです。

レース情報はこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

閉じる

鈴木誠コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票