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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【鳳凰賞典レース予想】本線は北日本! 吉田拓矢はSS初のGIII決勝をどう走る/ヤマコウ展望

2022/01/07 (金) 12:00 11

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 新年明けましておめでとうございます。

 早くも2022年が始動しました。その中で関東地区の要、平原康多(87期・埼玉)は2次予選で落車。「平原の自力を信用してないのか…」と思わせるような番組でした。

 それは準決勝の吉田拓矢(107期・茨城)も同じで、坂井洋(115期・栃木)に前を託す番組を作りました。坂井はGIIIを優勝して売り出す時期なのに、吉田の前で無理にでも仕掛ける以外ありません。

 伊藤慶太郎(107期・埼玉)も同じです。吉田は咄嗟の判断で事なきを得ましたが、少し間違えたら吉田も決勝に乗れませんでした。念には念を入れて、しっかり勝ち上がらせたかったのは分かります。しかし、なぜいつも同じメンバーばかりで決勝戦を走っているのか気付くべき頃が来たと思います。

 立川記念競輪鳳凰賞典決勝のメンバー、ライン構成は以下の9人です。

①吉田拓矢(107期・茨城)ー⑥稲村好将(81期・群馬)
②浅井康太(90期・三重)ー⑦桐山敬太郎(88期・神奈川)

⑧木村弘(100期・青森)ー③新田祐大(90期・福島)ー④菊地圭尚(89期・北海道)
⑤清水裕友(105期・山口)ー⑨久米良(96期・徳島)

 展開有利に運べそうなのは③新田ですね。末脚もしっかりしている上に⑧木村が先行主体に運びそうなコメントを出しているので、ここが本線です。

 ②浅井は、連日キレがあり調子の良さがうかがえますが、準決勝で落車したので評価を下げました。北日本勢の後ろが取れても新田の上を行くのは難しいでしょう。

 ①吉田はS級S班になったことで、堅実さに磨きがかかった印象です。ただ、決勝戦は平原康多がいなくなったことに加え、大宮GIII、取手全日本選抜と大事な開催が続きます。決勝は「関東開催が続くし、繋がるような走りがしたい。チャンスが来たら仕掛けられるように頑張る」とコメントしています。私はこのコメントを重要視しました。「チャンスが来たら仕掛ける=位置取りより力勝負」、「関東開催が続くし繋がる走り=位置取ってまくるより相手が脅威に思う走り=位置取りに拘らずカマシ勝負」と捉えました。

 ⑤清水も末脚は甘いですが、立川GIII決勝は気楽に構えていい立場だと思います。仕掛けるタイミングも逃さず堅調ですね。

 先行したい⑧木村は後ろ攻めで主導権、車番が悪い⑤清水は前受けから混戦まくりを狙い、①吉田②浅井は前中団でも後ろ中団でもいいと考え、初手はこのようになりました。

S.⑤⑨ ②⑦ ①⑥ ⑧③④

 ⑧③④の北日本勢が動いて、打鐘で①⑥の関東勢が叩きに行って先行争い。

       ←①⑥
打鐘.⑧③④ ②⑦ ⑤⑨

 ③新田が①吉田の動きに合わせて番手捲り。

    ←①⑥
H.←③④ ②⑦ ⑤⑨
  ⑧

 ③新田が振り切っての優勝を本線に、①吉田が番手に入っていることも想定して…
3ー412ー12495

 2人のもがき合いが長引き混戦になると⑤清水の出番も考え…
5ー9=312

 極寒の雪の中走った選手、いろいろな情報を提供してくれた報道陣、開催に尽力した関係者、そして購買してくれたファンの方々に感謝の気持ちを伝えたい開催となりました。

 本年もよろしくお願いします。

                      山口幸二

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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