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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【和歌山グランプリ予想】キレイな3分戦!先行選手の動きが勝敗を左右する/ヤマコウ展望

2022/01/12 (水) 12:00 16

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 和歌山競輪開設72周年記念和歌山グランプリ決勝を迎えました。

 和歌山グランプリ、略して「WGP」…

 この文字を見ると、プロレスファンの私は「IWGP」が一瞬頭をよぎるのですが、おかしいですかねぇ。

 今節の注目は、昨年の競輪グランプリを制した地元地区の古性優作です。あまり喜怒哀楽を出しませんが、準決勝の1着インタビューのホッとした顔が印象に残りました。私もそうでしたが、グランプリを制した後の一戦は、ファンの注目が集まるのでいつも以上にプレッシャーが掛かるものです。

 インタビューでは「1番車は似合ってないけど、同級生の松浦くんや郡司くんがS班にふさわしい走りをしていたので、僕も1着を取れて嬉しいです」と答えていましたが、とんでもない!

 9着、4着、1着の勝ち上がりではあるものの、正々堂々と戦う古性は1番車にふさわしいと思います。

 メンバー、ライン構成は以下の通り。

①古性優作(100期・大阪)ー⑨東口善朋(85期・和歌山)ー④神山拓弥(91期・栃木)

③根田空史(94期・千葉)ー⑦郡司浩平(99期・神奈川)ー⑤佐藤慎太郎(78期・福島)
⑥松本秀之介(117期・熊本)ー②松浦悠士(98期・広島)ー⑧岩津裕介(87期・岡山)

 キレイな3分戦となりました。

 この中で先行意欲が強いのは⑥松本だと思います。2次予選は坂本健太郎(86期・福岡)、準決勝は荒井崇博(82期・佐賀)の前で不完全燃焼の走りをしてしまいました。先行意欲はあっても、対戦相手が強気に出ると怯んでしまう。私もそうでしたが(こう見えても逃げていた時期はあるんです笑)、上位戦で先行して結果が出ない限り、勝ち上がりで腹を括るのは難しいと思います。ただ、GIIIの決勝は失うものがない上に「こんな勝ち上がりでも松浦さんが付いてくれる」という気持ちがあるので先行勝負でしょう。

 このメンバーの先行型は③根田。準決勝は逃げて3着に粘り、その上決勝は⑦郡司が番手なので積極的に仕掛けそうです。王者の①古性が前受けで戦うでしょうから、「中団を取って後ろを動かせて先行しよう」と思った方が先行できないと思います。準決勝の南潤(111期・和歌山)がそうだったように、先行で腹を括った自力選手相手に、引いて巻き返すのはなかなか通用しません。③根田と⑥松本、どちらがスタートで我慢できるかが勝敗を左右しそうです。

 ここでは前受け①古性、中団③根田、後ろ⑥松本で考えます。

S.①⑨④ ③⑦⑤ ⑥②⑧

 後ろから⑥②⑧が主導権を狙います。

      ←③⑦⑤
打鐘.⑥②⑧ ①⑨④

 ③⑦⑤の動きに併せて②松浦が動きます。

     ←⑦⑤
      ③
   ←①⑨④
B.②⑧
    ⑥

 ②松浦は番手から早めの仕掛けとなり、①古性も待って4角勝負するより2角から仕掛けると思うので両者共に脚を使い、サラ脚の⑦郡司が伸びると考えます。

 狙い目は、
7ー512ー2195

 番手捲りがキレイに決まった時は②松浦から狙います。
2=19ー891

 今節、一番伸びがいいのは⑦郡司です。踏んだ分だけ自転車が進んでいる印象です。誰もが力の出し惜しみをしない選手が揃っただけに、楽しみな決勝となりました。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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