2022/01/03 (月) 15:00 6
競輪解説者として活躍中の方々に2021年の名勝負と2022年に期待するイチオシ選手を挙げていただくお正月企画。第2回はnetkeirin連載コラム「吉井秀仁の妄想先取りレース実況」でおなじみの吉井秀仁さん。印象に残ったレースと期待する選手は!?
2021年、一番印象に残っているレースは寛仁親王牌11R準決勝。郡司浩平と和田健太郎の南関SSコンビ、オールスターを制覇し波に乗る古性優作へ東口善朋がマークし、中川誠一郎と山田庸平の九州タッグ、単騎の雨谷一樹。新山響平へは大槻寛徳がマークする細切れ戦だった。
人気は郡司と古性に割れてたが、新山が大槻を連れジャンから主導権を握り押しきった。
2車で逃げるのは勇気がいる…! ジャンから出て郡司に3番手を取られた時点で、まくられるとしか思わない。だが、オレの予想に反し、新山は逃げ切りを演じた。弥彦バンクで逃げると直線の長さに苦しめられるイメージがあるのに…! 差し脚の鋭い大槻がすんなり回り、差せなかった。また、あれだけ長い距離を踏んで上がりタイム11.5秒を叩き出した事も、オレの目には"驚愕"に映った。
2022年に期待する選手は新山響平選手(28歳・青森=107期)。
世代交代の旗手は107期新山響平と吉田拓矢が担う。新山響平はGIIIは吉田拓矢より先に取ったが、GIタイトルは吉田拓矢に後塵を浴びせられた。そこで注目する選手は新山響平になる。
吉田拓矢はGIタイトルホルダーになった事で追われる立場になった。かたや新山は…追う立場になり失う物がない。昨年以上に攻める姿勢を貫くだろう! 昨年のGI寛仁親王牌と小倉競輪祭準決勝を逃げ切り勝ち、鮮烈な印象を残した。これは他の先行選手に驚異を与え、他地区の追い込み選手も認める存在に成長した。すでに力はトップレーサーと遜色なく"隠れSS班"と呼んでもよい?
若手の自力型が挑戦してくると思うが、愚直に新山スタイルではね除け、同期ライバル吉田拓矢と共に「バイプレイヤーから主役」に躍り出て欲しい。オレの現役の頃を思えば「中野時代、滝澤時代」と称されるような『時代を代表する選手』になる事を期待したい。
【新山響平選手の2022年1月出走予定】
1/1〜1/3 伊東(FI)
第3回の公開は1月4日・鈴木誠さんです。
netkeirin取材スタッフ
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