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鈴木誠のハイブリッド展望

【武雄競輪G3・飛龍賞予想】九州4車は熊本3車と地元の荒井で別線! 3連勝の原田はG3初の完全優勝を捲りで狙っていく!/鈴木誠の展望

2021/11/28 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は武雄競輪場で開催されている施設整備等協賛競輪飛龍賞(GIII)の決勝レース展望です。

勝負の鍵を握るのは、熊本勢の分断を狙っていきそうな坂本か?

【飛龍賞】は【競輪祭】の直後に開催される大会であり、得点上位を含めた120名が不在。誰が勝ってもおかしく無い大会となりました。

 しかも、武雄競輪場は400バンクかつ、風の影響も余り受けずに走りやすいバンクながらも、(みなし)直線が長い(64.4メートル)ので、先行選手には大変厳しいバンクです。

 その中で調子の良さが目立っていたのが、地元の荒井選手です。そこにベテランならではの目標の良さ、このバンクを熟知した走りは、準決勝でも遺憾なく発揮されていました。

 2着はラインの先頭を走っていた上田選手となり、先に決勝へと進んでいた松岡(辰)選手、松岡(貴)選手といった熊本勢3名とどう並ぶかに注目していたのですが、荒井選手は別線を選択しました。

 熊本勢は上田選手-松岡(辰)選手-、松岡(貴)選手の並びとなり、荒井選手の後ろには、目標の無かった神奈川の五十嵐選手。そして原田選手-高原選手の徳島ライン。坂本選手-内藤選手の北日本ラインとなります。

 九州で一つになることもできたのでしょうが、上田選手と松岡(辰)選手は自力型であり、得点上位と言えども、その3番手で荒井選手が並ぶことはできなかったのでしょう。

 コメントでは、「自分で前々から何でもやる」

 と話していた荒井選手ですが、後ろに五十嵐選手が付いてくれましたし、捲りを狙ってくることになりそうです。

 一方、熊本勢は別線となった荒井選手だけでなく、原田選手もラインを分断してこないと思われるだけに、レースがしやすくなりました。ただ、もう一人の自力型である坂本選手が、内からしゃくっていった準決勝のように、熊本勢の分断にいく可能性があります。

 そこでラインが短くなるようだと、ピンピンピンで来ている原田選手、そして荒井選手には絶好の捲り頃となります。それだけにスタートの位置取りが重要となってきそうです。

 前受けをするのは車番的にも原田選手かと思います。ただ、自分が熊本勢の選手ならば、他の選手には競られたくないと考えるべきであり、ここは車番が悪くとも前受けに行くべきだと思います。

 もし、熊本勢が前受けをしたのなら、そのまま突っ張り先行。もしくは一度引いてから、競られないように一気に行く作戦が選択できます。一方、熊本勢が前受けしてしまうと、位置取りが悪くなってしまうのが坂本選手。その場合は一度熊本勢を抑えて、後ろからかましてくるようならば、タイミングと合わせて発進して、分断を狙っていきそうです。

 熊本勢が前受けをした場合には、1番車の荒井選手は4番手からレースを進められます。もし、熊本勢が一度引いた時に坂本選手が一気に先行体制に入るようだと、その後ろに切り替えて行く作戦も取れます。

 全ては坂本選手次第となりそうですが、熊本勢が難なく先行して、なおかつ松岡(辰)選手が二段駆けをしていくようだと、本命は松岡(貴)選手。坂本選手が熊本勢に割り込んでいくようだと、荒井選手や原田選手にとっては、格好の捲り頃となってきます。

 直線が長いだけに、ラインよりも能力のある選手同士で筋違いの結果になることも多かった今大会。この決勝も道中の駆け引きだけでなく、直線でドラマが待っているのかもしれません。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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