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鈴木誠のハイブリッド展望

【金亀杯争覇戦予想】前回は地元選手での上位独占となった【金亀杯】! 連覇を狙う松本だが、それでも新田の完全優勝は止められない?/鈴木誠の展望

2021/12/05 (日) 12:00 2

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は松山競輪場で開催されている金亀杯争覇戦の決勝レース展望です。

最終バックで一本棒になるようだと、山田-松谷にもチャンスが巡ってくる?

 今年の1月にも開催された【金亀杯】ですが、その時は優勝が記念競輪初制覇の松本選手。2着は橋本選手、3着は渡部選手と、愛媛の3名で上位を独占しました。

 この決勝にも連覇を狙う松本選手と、2着の橋本選手、3着の渡部選手が決勝に進んでいます。ただ、その時と違うのは4車のラインが3車になったことです。

 そして、前回は徳島の島川選手の先行に乗る形で、松本選手が番手捲りを繰り出したのに対して、愛媛3名だけでの連携となった今回は、松本選手がラインの先頭。その後には得点順に橋本選手-渡部選手となりました。

 この愛媛ラインに対抗するどころか、圧倒的な力を示しているのが新田選手です。初日の特選は捲り、2日目の二次予選、3日目の準決勝は逃げと、展開を問わないレース内容でここまで3連勝。番手を回るのは二次予選と準決勝でワンツーフィニッシュを果たした、同じ北日本ラインの大森選手です。

 同じ四国ながらも愛媛ラインと連携しなかった香川選手は、山田選手の後ろを選択。稲垣選手、松谷選手は単騎となりました。

 決勝メンバーの中で調子の良さが目立っているのが、準決勝までの成績が証明している新田選手。そして、早期追い抜きのペナルティで約3ヶ月ぶりのレースでありながら、ここに合わせて調整をしたかのような走りを見せている松本選手です。

 スタートの位置取りも注目ですが、前受けをするのは車番も良く、そして、スタートも抜群な新田選手と見ています。その後ろは愛媛ラインの3人で、後ろには車番的に山田選手か、もしくは単騎の松谷選手。9番車の稲垣選手は最後方からのレースとなるでしょう。

 松本選手だけでなく山田選手も前受けした新田選手が、抑え先行に入ったのなら勝ち目が無いので、まずは山田選手が抑えにかかるでしょう。それを見て一気に松本選手が先行していくと思います。

 新田選手は単騎の稲垣選手を後ろに置いて、7番手からの発進となりますが、その時に先行した松本選手との力勝負が見られそうです。松本選手は競輪学校時代に、ゴールデンキャップを獲得しているほどのスピードも持ち合わせています。走り慣れたバンクで、思い切って仕掛けたのならば…とも想像してしまいますが、それでも今回の新田選手の出来の良さは抜けています。

 後ろを回る大森選手も、アマチュア時代からスプリントでならした選手で、ダッシュ力もあるので、新田選手のような自力型との相性はいいはず。決勝でも離れることなく、ラインを守り抜いてくれるでしょう。

 もし、フルダッシュした松本選手が最終バックを先頭で通過して、一列棒になった時には、愛媛ラインの後ろを走っている山田選手の捲りが怖いと言えます。穴となるのはこのラインかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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