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鈴木誠のハイブリッド展望

【競輪祭予想】グランプリ出走に向けて、最後の大一番! 鍵を握るのはスタートの位置取りと、自力型の仕掛けるタイミング!/鈴木誠の展望

2021/11/23 (火) 15:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小倉競輪場で開催されている朝日新聞社杯競輪祭の決勝レース展望です。

地元3割増しの九州ラインは、ここで勝ってグランプリ出走を決める!

【競輪祭】が行われている小倉競輪場は屋内でバンクも軽く、各レースで好タイムが記録されるなど、究極のスピード競輪が繰り広げられています。

 先行選手がこのバンクの特徴を生かして、早めに仕掛ける傾向がある中で、実力のある選手でも、後方に置かれてしまうと巻き返すのが難しくなります。今大会でいつも以上にスタート牽制が見られるのは、それも一因かと思います。

 万車券も多く出るなど予想の難しいレースが続いていましたが、決勝メンバーを見ても、細切れ戦で難解なレースになったとの印象を受けます。

 その決勝の並びですが、地元の北津留選手-園田選手の九州ライン、新山選手-渡邉選手の北日本ライン、古性選手-山田選手の近畿ラインが、それぞれ2車でラインを形成。郡司選手、松浦選手、吉田選手は単騎となりました。

 決勝メンバーを見ると、スピードだけでなく、駆け引きにも長けた自力型が揃った印象を受けます。その中で先行しそうなのが、ラインができている北津留選手と新山選手です。古性選手は前々を攻めていくとは思いますが、先行まではしないはずです。

 先行意欲を持った2人の自力型ですが、最終的に先行するのは新山選手だと見ています。逃げ切った準決勝の上がりタイムこそ、それほど良くはありませんが、残り1周で先頭に立った組み立ても、新山選手の脚質に向いていたと思いますし、いいコンディションで今大会に臨んでいるのでしょう。

 その新山選手に引けを取らないほどに、調子が良く見えるのが北津留選手です。準決勝では捲っていった新田選手のその上を超えていきましたし、その北津留選手からいいスピードをもらう形で、園田選手が準決勝を制した時には、会場内から歓声が上がっていました。

 これまでのレースと同様に、決勝もスタートの位置取りが鍵を握りそうです。1番車の北津留選手が前受けをした場合、枠的に単騎の郡司選手、松浦選手が続いて、新山選手は中団からレースを進めていくはずです。

 位置が悪い古性選手は後方からのレースとなりますが、先に新山選手を出させてから、北日本ラインの3番手を狙ってくると見ています。ただ、その場所は誰もが欲しい場所であり、ここでもつれるようだと、一旦後ろに下げた北津留選手が、園田選手を引きつれて一気に発進していきそうです。地元3割増しという言葉もありますが、決勝のゴール後にも、あの歓声が再び聞けるのではと思っています。

 穴は古性選手でしょう。もし、北日本ラインの3番手をすんなり取れるようだと、先捲りには願っても無い展開となります。その古性選手と同じく、既にグランプリ出場を決めている松浦選手と郡司選手ですが、単騎ということもありますし、切れ目から上位を狙うレースをしてくると見ています。

 古性選手の後ろを走る山田選手も、どの位置からでも動ける脚を持っていますし、権利を持っていない選手たちにとっては、優勝こそがグランプリ出走への必須条件となった決勝戦。その意味では難しくとも、面白いレースが期待できそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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