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前田睦生の感情移入

【武雄競輪G3・飛龍賞】荒井崇博 切実に自分自身を生きる輪界きっての名レーサー

2021/11/24 (水) 12:00 5

佐々木昭彦氏(右)と話す荒井崇博

協賛競輪の開催とは

 武雄競輪場で「施設整備等協賛競輪 飛龍賞(GIII)」が11月25〜28日の日程で開催される。武雄記念とは別枠のGIIIになるが、これは昨年4月のコロナ禍の影響が大きかった時期に記念を開催し、競輪の灯を絶やすまいと運営に挑んだ場に対する措置のようだ。その4月の大会の売り上げは約30億円とさすがに厳しかった。

 分宿などの手も打てば費用はかさむ。パーテーションの設置やアルコール消毒の準備など、少しずつでも膨らんでいる。しかし、“競輪の開催をしないことには…”の熱意がある。JKAや各施行者、関係者の尽力によって競輪は続いている。

 状況を鑑みての開催の設置であり、選手たちはそこで躍動するわけだ。

 今回は武雄で開かれる大会、ということでより一層の責任感を胸に走るのが荒井崇博(43歳・佐賀=82期)。直前の佐世保FIでも素晴らしい動きを見せていた。
▶︎【今週の競輪好プレー】荒井崇博 好プレーというより“強”プレー/佐世保FI初日・特選10R

佐賀、九州を背負って20余年

山田英明(左)と話す荒井崇博

 荒井は競輪の神髄を知り尽くしている選手の一人だと思う。メンバー構成、レースの勝ち上がり数や敗者戦、選手たちの心理、置かれた状況。特別にそこをチェックして深く考えて…ではなく、“普通”に知っている。

 ケガなどで調子を落としている時は仕方ないが、状態さえ普通ならばどんなレースでも戦える。GIを勝っておかしくない質の高さを誇っていたが、現在までその夢だけはかなっていない。「武雄だけは、別」。そんな荒井が看板選手として武雄のシリーズはずっと引っ張ってきた。

 「ただ勝ちたい」というレベルではない。勝つことが求められていることを知っている。やるべきことをやる、だけでは責任から逃げている。他の選手のこともよく考えるため、時に「地元であんな走りをしていていいんかね」と、地元記念で凡走する選手に厳しい目を向けることもある。

心で、体で感じたい走りがある

のどかで美しい武雄競輪場

 荒井はそれだけのことをやってきた自負がある。今回はそれを結実させるシリーズ。美しく、風光明媚な環境にある武雄競輪場。そこで“荒井崇博”という一人の男の戦いがある。出場選手の誰よりも、いや抜きん出てこの開催にかけている。その4走、必見の極み。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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