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前田睦生の感情移入

【ガールズケイリン】最後の切符を手に入れた小林優香、ガールズたちの勝負師的根性

2021/11/21 (日) 12:00 19

久留米から3人がガールズグランプリへ。左から小林優香・尾方真生・児玉碧衣

最後の1枚は小林優香がつかんだ

 小倉競輪場で行われている「第63回朝日新聞社杯競輪祭」。前半3日間は「ガールズグランプリ2021トライアルレース」が開催された。年々レベルを上げるガールズケイリン。ガールズグランプリ2021への最後の1枚の切符を小林優香(27歳・福岡=106期)がもぎ取った。

 シリーズ開幕前、当確者は石井寛子(35歳・東京=104期)、児玉碧衣(26歳・福岡=108期)、小林莉子(28歳・東京=102期)の3人。4位高木真備(27歳・東京=106期)、5位坂口楓華(24歳・京都=112期)、6位尾方真生(22歳・福岡=118期)も何が起こるか分からない。7位鈴木美教(27歳・静岡=112期)も条件としては易しくなかった。

 ダークホース的存在だった久米詩(22歳・静岡=116期)や実力者の山原さくら(28歳・高知=104期)、尾崎睦(36歳・神奈川=108期)、そして梅川風子(30歳・東京=112期)も結果を残せず。佐藤水菜(22歳・神奈川=114期)、太田りゆ(27歳・埼玉=112期)が海外遠征でいなかったことを考えると、本当にすごい顔ぶれになってきている。

高額フレーム購入も辞さず

66万円もする五輪仕様のフレーム
 この秋から、ガールズケイリンの話題のひとつだったのは五輪仕様のフレームだ。一般のフレームの約3倍の価格で70万円に迫る高価なものだ。だが、ほとんどの選手が「みんなが乗って勝負にならなかったら」と購入を決断し、「乗りこなせるのかはわからないけど」などと口にしながら挑戦していた。

 保守的になっておびえることなく、未知の世界にも果敢に飛び込む。それも一人、二人ではなく多くの選手たちが。ガールズケイリンができて10年。ここまでのレースレベルにしていった選手たちの、勝負師的根性が垣間見える。

 400バンクなら11秒台は当たり前。血のにじむような練習がそれを支えている。普段の明るさや、騒がしさ(失礼!)とは想像もつかない人間としての強さをそれぞれが備えている。

どんどん出てくるキラ星たち

南円佳(左)は桜島噴火下級の根性を持つ

 アメジストで準優勝だった柳原真緒(24歳・福井=114期)も完全に上位に来た。トパーズで決勝3着と驚かせたのは南円佳(22歳・鹿児島=116期)。トライアルレース初出場、大きな大会になれず若干おびえている感じにも見えたが、レースではそんな素振りは見せなかった。

 南の決勝の走りは、脚力だけでなくやはり気持ちが支えていたもの。薩摩おごじょの芯の強さを見せつけてくれた。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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