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鈴木誠のハイブリッド展望

【火の国杯争奪戦】九州ラインの前を任されたのは北津留!  地元・熊本の2人と共にラインからの優勝を狙っていく!

2021/10/10 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は久留米競輪場で開催されている火の国杯争奪戦の決勝レース展望です。

九州ラインに対抗するのは、レース巧者かつ、実力面でも上位の平原!

【火の国杯争奪戦】が開催されている久留米競輪場は標準的な400バンクです。連日に渡って好タイムが出ていたように、バンクコンディションも軽く、風の影響もあまり無いので走りやすい印象がありました。

 このバンクを味方につけた走りをしていたのが若手の選手たちです。特に初日、2日目と九州の選手、その中でも地元である熊本所属の選手たちの活躍が目立っていました。

 準決勝も九州の若手選手がどんな走りをして、決勝にはどれだけの数が勝ち上がってくるのだろうかと注目をしていましたが、結果として九州の選手で勝ち上がってきたのは3名だけとなりました。

 もう1車でも勝ち上がっていれば、ラインから優勝者を送り出す可能性も高くなっただけに、もう少し上手くレースをしていれば…と残念な思いもしています。

 決勝の並びですが、その九州ラインは北津留選手が前を任されることになり、後ろが地元の嘉永選手-瓜生選手。準決勝の11レースでは、ラインで上位独占を果たした関東ラインは、その時と同じように平原選手-諸橋選手-磯田選手。松浦選手の後ろが、同じS級S班の佐藤選手。谷口選手は二次予選と準決勝と同様に、単騎のレースとなります。

 この中で注目していたのが、九州ラインの並びです。前を任された北津留選手ですが、準決勝は自力で3着に来たといっても、番手のレースができていませんでした。

 その一方で初日の特選では北津留選手が先行して、中川選手の勝利に貢献しています。地元の2人が決勝に乗っていることからしても、北津留選手が2人の前を走るのが、ラインから優勝者を出せると考えたのでしょう。

 後ろを走る嘉永選手、瓜生選手も自力型で機動力もありますし、レースも北津留選手が先行して、そのまま主導権を握っていくはずです。嘉永選手にとっては地元の記念を優勝したいという思いも強いでしょうから、他の選手が来たら北津留選手を残すことなく、番手捲りをしていくと見ています。

 そこにレース巧者の平原選手、そして安定感のある走りをしている松浦選手が、どんな作戦を取っていくかだと思います。平原選手は準決勝でも中段を取ると、早めに捲っていきながら、ラインで決着をつけました。

 決勝では九州ラインの後につけて、そこから力でねじ伏せるようなレースをしていくと思います。もし、北津留選手を早めに嘉永選手が交わしていくようだと、3番手でレースをすることにもなりますし、その展開になれば、平原選手にとって更にチャンスが出てくるはずです。

 松浦選手は平原選手の後ろにいると思いますが、北津留選手が腹をくくった時の先行は侮れません。さすがの松浦選手でも後方のままなら、そうは捲れないはず。この並びだと前受けをするのは松浦選手-佐藤選手かと思いますが、北津留選手の動き出しを見た時に、どのような判断をしていくかにも注目しています。

 準決勝では自力型の選手がもがき合いをして、前団のスピードが緩んだ時に一気に交わしていった谷口選手ですが、この決勝は車番も悪く、単騎のレースであることからしても、展開次第となるのは仕方ありません。

 道中は関東ラインの後ろにつけるのではと見ています。もし、平原選手が北津留選手に蓋をして混戦になるようだと、その間隙を縫って上位争いをすることも考えられそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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