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【netkeirin5周年 特別企画】この5年間は“節目ラッシュ”! 勝ち星で読む競輪選手の超進化

2025/12/14 (日) 12:00 8

 2021〜2025年の5年間、競輪界ではまるで「勝ち星の大収穫祭」のように節目到達選手が続出! 500勝を決めた男子29名・女子6名に加え、600勝、800勝、そして900勝という大記録まで飛び出す“豊作イヤーズ”だった。ますます強くなるベテラン、爆走するガールズーー数字から見えてくる競輪選手の“いま”は、読めば読むほど面白い!

(左から)引退した神山雄一郎氏、石井寛子(撮影:北山宏一)、小嶋敬二(写真提供:チャリ・ロト)

①男子29名、女子6名ーー「500勝ラッシュ」の5年間

 滝澤正光氏(引退)が最初の通算500勝達成者※となった1995年から2025年まで、5年スパンで区切り、期間ごとに500勝達成選手数を参照してみた。

 2021〜2025年の直近5年間は、男子29名、女子6名が通算500勝を達成している(2025年12月13日時点)。この5年間はそれ以前と比べて、男子の500勝達成選手が大幅に増え、まさに「500勝ラッシュ」の期間であったと言える。
※「昭和58年4月以降の競走における」通算500勝達成選手

【5年ごとの500勝達成選手数】

期間男子女子
2021-2025年29名6名
2016-2020年11名-
2011-2015年12名-
2006-2010年8名-
2001-2005年3名-
1996-2000年1名-
1991-1995年1名-

 500勝達成選手が激増した背景には、食事やトレーニング法などコンディショニング面の進化が選手寿命を伸ばしていることが考えられる。

 2012年にスタートしたガールズケイリンは、男子の競輪と違い、選手のクラス分けがない。そのため強い選手は、超スピードで勝ち星を積み上げ、デビューから節目達成まで短期間で到達することが可能な点は、ご存じのとおりだろう。

▶【男子】通算500勝達成選手一覧

▶【女子】通算500勝達成選手一覧

2025年に通算500勝を達成した男子選手は10名中7名が50代。写真は51歳で達成した武田豊樹(左・撮影:北山宏一)と56歳で達成した島野浩司

②次の節目へーー“700勝”は誰が最初に名を刻む?

 現在、通算600勝を達成している現役選手は、男子5名、女子4名の合計9名。

【通算600勝達成選手】

選手名府県達成年月日通算勝数
石井寛子L東京1042024/1/26692
増成富夫岡山662022/8/4681
高谷雅彦青森672022/2/24664
山原さくらL山口1042024/12/14658
奥井迪L東京1062025/3/10635
志智俊夫岐阜702023/10/14634
黒木誠一兵庫602019/7/8632
児玉碧衣L福岡1082025/7/15628
伏見俊昭福島752025/9/18605

※2025年12月13日(12時)時点、名前の末尾にLのある者は女子選手

■次の700勝達成は石井寛子が最有力!

 最も700勝に近い競輪選手は、男女合わせてガールズケイリンの石井寛子のようだ。

通算勝利数は2025年12月13日(12時)時点

 石井は、2025年12月13日時点で通算692勝。順調にいけば2026年早々にも、神山雄一郎氏(引退)、小嶋敬二に続く700勝選手となりそうだ。ガールズケイリン初の500勝・600勝達成や全場制覇など、これまで数々の記録を樹立してきた石井。「80歳まで現役を続けたい」と語っている彼女が、どこまで勝利数を積み上げていくか、楽しみに追いかけたい。

「80歳まで現役」を掲げるガールズケイリンのフロントランナー石井寛子(撮影:北山宏一)

■超速で勝ち星積み上げる強力ガールズ

 女子の600勝レーサーの中で、2025年最も勝利数が多い選手は児玉碧衣(12月13日時点)。ガールズ史上最速で500勝と600勝を達成した児玉は、2025年は79走して67勝。続く山原さくらは54勝、43歳の奥井迪も48勝している。3名ともこのペースを維持すれば、山原は2026年、児玉と奥井も2年以内に700勝を達成できそうだ!

(左から)山原さくら、児玉碧衣、奥井迪(撮影:北山宏一)

■男子五十にして燃え盛る闘争心!

 男子は、55歳の先行職人・増成富夫が2025年12月13日時点で681勝。2024年の34勝から勝ち星は減ってはいるものの、2025年はここまで20勝。補充も含めた直近6開催は、各シリーズ必ず最低1勝している。このペースで白星を積んでいけば、2026年内に700勝達成が期待できる!

増成富夫。背中で誓う「生涯先行」宣言が頼もしいのである!

 現在634勝、53歳のS級1班・志智俊夫も意気軒高だ。2025年はビッグレース(GI・GII)に5開催出場。19勝中2勝は「共同通信社(GII)」での勝利(連勝)である。中部地区プロ大会のケイリンでも2年ぶりにV奪還を果たし、気を吐いている。

グレードレースレースでも活躍する志智俊夫(写真提供:チャリ・ロト)

③56歳のレジェンドーー小嶋敬二の“900勝”までの道のりは?

 現在、現役選手の中での獲得勝利数ダントツ1位の56歳・小嶋敬二。2022年に通算800勝を達成し、2025年12月13日時点で853勝である。

56歳のレジェンド小嶋敬二(photo by Shimajoe)

 以下が、1994年8月のデビュー以来、600勝まで約3年ごとに100勝(最初の100勝は2年)を積み上げてきた鉄人の足跡である。

【小嶋敬二の節目達成年表】

勝数達成年月日年齢
1001996/11/526歳
2002000/8/630歳
3002003/7/2633歳
4002006/9/1336歳
5002009/5/3039歳
6002012/5/542歳
7002017/3/947歳
8002022/11/2853歳

 600勝以降はさすがに節目達成ペースが落ちているが、2025年は12勝しており、なんとそのうち5勝がバックを取っての1着(12月13日時点)。この勢いのまま、900勝までの残り47勝を4年で達成して欲しい。そして、神山雄一郎氏が現役時代に樹立した現役最多909勝の記録を破るという偉業も期待したい。

 なお77歳で引退予定だという本人による1100勝までの節目達成プランは コチラ

 2026年もレジェンドの走りに要注目だ!

④909勝の金字塔ーー神山雄一郎、節目を超えた“生きた伝説”

 積み上げた勝ち星という点において、この5年間で最も偉大なレーサーを挙げるならば、やはりこの人物をおいてほかにいない。

神山雄一郎氏は現在、日本競輪選手養成所の所長として新世代の育成に励んでいる(撮影:北山宏一)

 2023年6月3日、函館競輪場で55歳にして現役最多の通算900勝に到達した神山雄一郎氏。翌2024年12月23日、“競輪の神様”は、取手競輪場で弟子とのワンツーを決め909勝目を挙げ、バンクを去った。

 GI歴代最多16Vを含むその偉業は、単なる記録ではなく、長きにわたり頂点で戦い続けた男の“時間そのもの”が刻まれた成果である。

【電撃引退】神山雄一郎ヒストリー〜輪界に残した王者の足跡〜

 そんな909勝という金字塔に追いつき追い越すべく、選手たちは365日休まずモガいている。

 netkeirinも、競輪ファンとともに、戦い続ける選手たちを応援し見守り続けていきたい。

 次の歴史的瞬間を見逃さないために。


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