2021/09/25 (土) 12:00 13
10月20〜24日にフランスのルーベで世界選手権が開催される。2024年パリ大会までもう3年しかない。例年でいうと五輪の後の世界選手権には、主力選手がいないケースもあったが…今回はそうではない。
各国、“もう3年しかない”という実状がある。
東京五輪が8月に終わってまだ2月。しかし、パリ五輪でメダルを獲得するための戦いはもっと前から始まっている。日本代表も強化指定A、Bに選手を集め、強化を続けてきた。
ただ問題はコロナ禍にあって国際大会の経験を積むことがあまりできていないこと。
5月、香港で開催されたネイションズカップではコロナ禍にあり、バブル方式(※)の中での参加だった。世界の主要メンバーこそいなかったが、国際経験の少ない選手にとってはこうした大会に参加するだけでも成長の糧になる。短い3年という時間だが、世界選手権に出場する選手には、大きなものを得てほしい。
※「開催地を大きな泡で包むように囲い、選手やコーチ・関係者を隔離。外部の人達と接触を遮断する」方法
東京五輪ではケイリンで失格となったトリニダード・トバゴのポール・ニコラス。脇本雄太(32歳・福井=94期)相手の行為でもあり、憤懣(ふんまん)やるかたないものは残るが、近年の成長、また東京五輪で見せていた走りは評価せざるを得ない。
スプリントにしてもケイリンにしても、一枚違う姿だった。その姿は、山崎賢人(28歳・長崎=111期)に何か重ねてしまう。
9月28日のセレクションなどがあってとのことだが、世界選手権、そしてパリ五輪への最大の飛躍を期待したい男だ。自転車経験の浅さを武器に変え、ぶっ飛んだ走りで世界を驚かせてほしい。
またガールズケイリンからの挑戦も大きな期待がかかる。太田りゆ(27歳・埼玉=112期)は川崎のシリーズを走った時に、世界に向けて目を輝かせていた。もちろん、『世界の壁』に対する真摯な態度もあってのもの。もう一段、違うステージへと向かうための“何か”をフランスでつかむだろう。
すでに海外遠征の経験も多く、川崎ではホテル分宿などあったが、「快適」と笑うばかり。さまざま食にうるさい選手も多い中、海外で苦労もするせいか「宿舎のご飯がおいしくないと思ったことがない」と話していた。表情をよく見ると、いつも以上に野性的だった。まだ伸び盛りなのだろう…。
先の話になるが、北津留翼(36歳・福岡=90期)の話。マウンテンバイクで家族総出で大会に出続けている。成績も優秀のようで、北津留のお子さんや面倒を見ている子が2028年のロサンゼルス大会に出場してもおかしくないという。
「メカニックで! 」
東京五輪はコロナの規制もあって、スタッフも限られていた。そんな中、BMXの中村輪夢は父親がメカニックとして参加していた。ロサンゼルス大会の時にはそうならないことを祈るが、感染症のようなこともなく、その時は北津留もれっきとしたメカニック、またコーチとして参加することになるだろう。北津留が名メカニックとして代表選手を支える姿を見たいと思った。
その時私は、北津留のストーカーとしてアメリカに付いていこう…。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。