2021/09/22 (水) 12:00 13
深谷知広(31歳・静岡=96期)が追加参戦となっている。直前に行われていた岐阜競輪の共同通信社杯にはナショナルチームのスケジュールの都合で登録されず、その後、アジア選手権の中止を受け、追加の対応があった。
まさかと思うが、深谷は約4年優勝がない。
もちろんビッグレースの決勝にも乗っているほどで、活躍ぶりは変わらないイメージだが、優勝がない。国際大会では大躍進。競輪の出場数が少ないことはあっても…やはり意外だ。
実際、この青森記念(みちのく記念善知鳥杯争奪戦)を4年前に勝って以降、事実そうなのだ。
今回の追加を受けられたことは、落車後の身ではあるものの大きなチャンスだ。深谷自身、優勝のイメージのある青森を走れることはうれしいだろう。ろっ骨骨折はかなり痛かった模様だが、そこからの復活はナショナルチームのメディカルスタッフらの思いも込め、力にするタイプだ。
山田英明(38歳・佐賀=89期)は共同通信社杯に出場できず、今回は人気に応えることが求められる。先日の別府競輪での「アペックス杯(FI)」で山崎賢人(28歳・長崎=111期)と好連係を決めて優勝。今年のKEIRINグランプリ出場争いでは後れを取ってしまっているが、残り2つのGI戦がある。あきらめない。
昨年の寬仁親王牌では決勝で弟・庸平(33歳・佐賀=94期)と兄弟同乗となった。写真は2017年9月の武雄競輪での共同通信社杯の時のもの。深谷が優勝した青森記念の直前に開催されていた。この時はそれぞれの思惑があり、兄弟別線で物議を醸したのが懐かしい。
芦澤大輔(39歳・茨城=90期)と芦澤辰弘(33歳・茨城=95期)の兄弟が岐阜で壮絶な連係を見せた。兄弟レーサー同士として英明も刺激を受けたことだろう。再び寬仁親王牌で、さらには競輪祭でと胸を焦がしているはずだ。
深谷優勝の時のフォルダに、S級ブロックセブンの写真があった。右から3番目はブレーク前の清水裕友(27歳・山口=105期)だ。まだ逃げて、まくられるだけのレースとなったが、今や活躍ぶりは明らか。共同通信社杯決勝も、単騎ながらあの攻めを見せたことは好印象。“これがヒロト”を思い出してきた。
岐阜で少し会えた時、「S班9人の紹介、読みましたよ! 」と笑ってくれた。
アマチュア実績はあっても、当方、経歴欄の“柔道”の文字を見るとどうしても「得意技は何? 」と聞いてしまう。清水のことを怪しげな柔道部員を見る目で見ていることが、公にバレてしまい恥ずかしかった。
今回は119期の精鋭たちによる一発レース「ルーキーシリーズ2021プラス」が最終日の6レースで行われる。犬伏湧也(26歳・徳島=119期)は一気にS級まで駆け上がるか…というところをまさかの足踏み中。
しかし、今回は負けられない。
まだ覚えることも多いのだろう。ただ、山口拳矢(25歳・岐阜=117期)がいきなり時代を変えた。もちろん、今まで大切にされてきた“先行で上に上がっていく”は変わらないと思う。その上で、を山口が見せた後。犬伏は何を感じ、どんな走りを見せるのか。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。