2025/06/04 (水) 12:00 25
別府競輪場で6月5日〜8日の4日間、ナイター開催で「開設75周年記念 オランダ王国友好杯(GIII)」が開催される。71、73周年を制している守澤太志(39歳・秋田=96期)がいて、北日本は新山響平(31歳・青森=107期)、菅田壱道(39歳・宮城=91期)と強力メンバー。
新山と菅田は5月名古屋ダービー(日本選手権競輪)の決勝に阿部力也(38歳・宮城=100期)と勝ち上がり、菅田にはGI初優勝の大チャンスだった。が、眞杉匠(26歳・栃木=113期)の超高速まくりが飛んできて、菅田は止められずのみ込まれてしまった。
最後は接触して落車…。「今回は、勝ちます」と自分自身にもプレッシャーをかけての戦いだったが、実らなかった。しかし、今の菅田の立ち位置ならチャンスはまた巡ってくる。『取れる時に取る』を植え付けるためにもこうした記念での連係は揺るがせにできない。
2月豊橋全日本選抜競輪(GI)の動きであったり、新山の後ろで、はかなり高いレベルの精度になっている。カズミチの、その先へ。
岩本俊介(41歳・千葉=94期)は昨年の躍進があり、千葉支部の最優秀選手賞に輝いた。各地区でこうした表彰があるのだが、なかなか取材に行く機会はなかった。喜びと目標を語るとともに強調していたのは「若手のみなさん、ぜひ頑張ってください」ということだった。
千葉は若手の頭角が遅れており、岩本であり根田空史(36歳・千葉=94期)といった中堅、ベテランがまだまだGIの主戦力だ。400勝表彰を受けた山賀雅仁(43歳・千葉=87期)には「400勝か〜、山賀さんももう若くはないですよね」としみじみ語りかけると「そうですよ!頭もこんなんなっちゃいましたよ!」と輝いていた。
今回は深谷知広(35歳・静岡=96期)もいるので、岩本はまた安定した走りを見せるだろう。今を大事にすることが、岩本にとって重要なこと。もっと暴れたい、という思いもあるかもしれないが、40歳になってからグランプリ出場、S班になった男。浮わつかずに、自分の戦いをやっていく。
大分といえば、小野俊之(49歳・大分=77期)、大塚健一郎(47歳・大分=82期)が長くこの別府記念で大熱戦を繰り広げてきた。小野はヒザの持病を抱えA級での戦い、今回は大塚、菅原晃(45歳・大分=85期)が欠場になり小岩大介(41歳・大分=90期)が総大将を務める。小岩も41歳…。
阿部将大(28歳・大分=117期)は74周年大会を制し、現在、大分のエースとして活躍している。一丸尚伍(33歳・大分=121期)が本格化し、甲斐俊祐(26歳・大分=121期)、長松空吾(25歳・大分=123期)の若手も登場。大分の新時代を、小野や大塚の魂、根性、技術を受け継いで頑張ってほしい。
大西貴晃(32歳・大分=101期)はレインボーカップの出場になるが、また来年以降の戦いに注目だ。また、援軍というか主役でもある山崎賢人(32歳・長崎=111期)にはジャパントラックカップIIケイリン決勝で、1位入線も降着の悔しさをぶつけてほしい。
最終日の8日、9RではレインボーカップA級ファイナルが行われる。9人全員が来期のS級復帰、昇級を決めている状態。昨年10月のナイターGIIIで決勝進出(6着)の山崎将幸(38歳・宮城=92期)の活躍を思い出す。
ケガに苦しんでいたが、大好きな和田圭(39歳・宮城=92期)から刺激を受け、コツコツと練習を積み重ねて状態を上げていた。今期のA級では安定しており、またこれからに期待したい。
車券の推理としては、北日本が4人、九州が4人、徳島の川口雄太(28歳・徳島=111期)が1人という状況なので、まずは並びをどう決めるか、から注目していきたい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。